4日前に来日して大阪や周辺地域で研修旅行をしていた韓国・コチャン郡議会議員らの訪問団が本日、帰国しました。
初日の夕食や3日目の奈良県宇陀市訪問に付き合って取材もしていた私は、本日も一行に同行。朝のうちに、私の昼休みのジョギングコースである大阪城公園を散策した後、帰国便に搭乗する関西空港に近い大阪・阪南市にある日本酒の造り酒屋「浪花酒造」を見学し、同じ敷地内にある旧家の中で滞在中最後の食事となるランチをいただきました。
このブログに何度か登場している浪花酒造は、私の中学・高校時代の同級生である和弘さんが社長を務める老舗。約300年の歴史を誇る老舗の造り酒屋で、約100年前に建てられた木造建築の醸造所を見学した上、大阪府の登録文化財に指定されたお屋敷の大広間で庭園を眺めながら食事もできて、少人数の同窓会の会場として定番の一つです。今回は、ラズベリーの一種、ポップンジャ(覆盆子)の果実酒がコチャンの名産であることから、お酒つながりで皆さんに興味を持ってもらえるだろうと考えて訪問を提案し、最後のスケジュールに組み込んでもらいました。

一行は大阪市中心部にある宿泊先のホテルをチェックアウトしてバスで大阪城公園に立ち寄り、私は電車に乗ってJR森ノ宮まで行った上、天守閣の近くで合流しました。スケジュールに余裕がなく、当初は天守閣の中に入るのは控えると聞いていましたが、本丸まで来て天守閣を見上げると入りたくなるのは当然で、皆さんはコチャン訪問を呼び掛ける横断幕を広げて記念写真を撮った後に入館。一気に展望台に登って、ささっと写真を撮ったかと思うと、途中の階の資料展示などには目もくれず外に出てバスへと向かいました。

それでも時間はおして、途中の道路が混んでいたこともあり、浪花酒造への到着は予定より20分ほど遅れました。ちょうど冬場のお酒造りは作業が終了した後だったため、木造建築の工場内での見学はそこそこに。和弘さんの自宅でもある隣りのお屋敷に移動して、大広間での昼食会が始まりました。
旅行中、主にバスで乗り付けることができる団体客向けの店で食事をされていた皆さんは、静かな伝統家屋の大広間で自分たちだけの宴席が用意されていたことに大感激。地元の魚料理専門店から配達してもらった、新鮮な刺身も含む仕出しに加え、出来上がったばかりの「浪花正宗」も何本も出てきて、打ち上げの大宴会となりました。

和弘さんは、以前にも披露してくれた手品や洋室でのピアノ演奏に加え、新たに習ったという琴の演奏も茶室で披露。一行のメンバーらは、こうした社長自らの歓待ぶりにも感激してくれて、浪花酒造を紹介した私は鼻が高く感じました。
ピアノや琴は、外国からも含めて多くの団体見学客を受け入れている和弘さんが、お客さんらを喜ばせるために習ったとのことで、そのプロ意識に感心してしまいました。

和弘さんには、コチャン名産の一つである韓国のりがプレゼントされましたが、浪花酒造に併設された売店でお土産の日本酒を買ってくれたのは議員さん1人だけ。バスの中で「お土産の販売もあります」と宣伝していた私もちょっとがっかりでした。聞いてみると、皆さんの多くは滞在中に立ち寄った免税店で、ウイスキーを持ち込み制限いっぱいの2本ずつ買い込んでしまったとのこと。そういえば、韓国では日本流のハイボールが人気だそうで、こんなことなら浪花酒造の宣伝は初日までにしておくべきだったと後悔しました。
空港では、議会事務局の窓口だったテスンさんが、小さな横断幕を広げた私の写真を撮ってくれました。幕に書いてあるのは「2023 世界遺産都市・コチャン訪問の年」「豊かに さわやかに」の文字。「今度はコチャンで会いましょう」と皆さんに言われ、いよいよ11月のコチャン・コインドルマラソンには久しぶりに参加しなけらばならなくなったなあと思うばかりでした。