


予告させていただいた通り、写真展のオープニング・セレモニーに来ていただいたゲストの方々による、ごあいさつを年度末までに紹介させていただきます。第1回目の本日は、公募展である今回の写真展の企画を選んでくださった審査員の先生方-写真家の木村恵一さん(左の写真の右)と、写真研究家の小林美香(右の写真)さんのおふた方です(小林先生、手元に横顔の写真しかなくて、すみません)!!
木村恵一さんは、1960年代に「週刊現代」や、創刊スタッフとして参加された「週刊ポスト」で企業のルポを連載されたのをはじめ、「江戸職人」、「京の山」「京の川」「京の里」の三部作、「北朝鮮」など数々の作品を世に出してられる日本写真界の大御所です。
また小林美香さんは、「写真を“読む”視点 」(写真叢書)などの著書があるほか、最近は「モテる写真」を追求するワークショップを開くなどの幅広い活動をされている気鋭の写真研究家です。
おふた方とも、一介のサラリーマン記者である私にとっては、雲の上のような存在で、たしかに地をはうようにしながらも単純に楽しんで撮った私の写真を審査していただいたことは、光栄至極でした。
そのうえ、オープニング・セレモニーにも快くゲストとして出席していただき、まさに身に余るようなお言葉をいただきました。ありがとうございました!!!
というわけで、木村さん、小林さんのそれぞれのごあいさつを以下にご紹介させていただきます。
こちらで編集させていただくのも、どうかと思いますので、ほぼ話されたままのお言葉です。
【木村恵一さん】
辰巳さん、どうもおめでとうございます。あのこれ、「公募展」ってこと何も書いてないのですけど、これはリコーさんが、そういうことを表に出したくないということでですね、いかにも個展を自分でやったみたいに、そういうふうに配慮までしてくれたのですね。
リコーさんの公募展というのは今回で2回目なんです。まだ2年目なんです。どういうものかと言いますとね、あの応募規定では写真30点以上をファイリングして提出しなさいと。で、そのなかから新しい写真家を育てますという企画なんですね。で、そこで私と、きょうもあとでお話する小林さんと2人が今年の審査員に指名されまして、審査いたしました。
なかなかね、ワンテーマ30点以上の作品をつくるというのは、たいへんな努力なんですけども、それぞれおもしろい作品が沢山ありました。でも何といっても、これは企画の勝負ですね。走りながら写真を撮るなんていうのは考えただけでも、こっちはぞっとするんですけども、それを共同通信社にいてね、仕事も兼ねてて(編注:仕事は兼ねておりません)、遊びも兼ねて、もうひとつの遊びも兼ねているって。そんなことをやりながら、それでもって公募展に出してやろうっていうことで。公募展っていっても、それでウィナーになっても、賞金はないんです。一銭もありませんでしたね、もらわなかったでしょう。ただご褒美として、ここで写真展ができるという権利をもらえた、というたいへんうれしいものなんですけども。そういうなかで選ばれました。
ランナーから、ランニングしている路上から次々写真を撮っていくなんてのはね、今まで見たことないわけですね。あの、共同通信ってマスコミの中にいまして、ときには御社の方でもって(マラソンの)取材をしているんだと思うのですけども、部分部分で取材をするぐらいで、写真を撮るとしても部分部分で撮るぐらいで。しかもそれを、42.195キロを走りながら写真を撮っちゃうなんて、そんなバカなことを何で考えたんですか。フルマラソンを42回、これはもう趣味の段階を越えてなんだかすごいですね。(私「ヘンタイです。」)こんなことをあまりしゃべってもしょうがないんで、ということで、あの公募展の中で第2回目のウィナーになりました。これからまた、楽しい写真を沢山撮ってください。どうもおめでとうございます。
【小林美香さん】
どうも今回おめでとうございました。木村先生にほとんどのことを言っていただいたのですけども、本当に迷いなくこの作品を選ばせていただいたことを光栄に思います。あの展示ファイルを拝見していて、どういう展示になるのかなと、いろいろと想像してたんですけども、思っていた以上というか。
多分、想像していたのは、見る方自身がこれでランナーになって応援されて励まされるような展示になるのだなと思っていたら、やっぱり本当にそのとおりになって、あとキャプションが一つ一つ状況が書いてあって、本当にそこに参加していくことが楽しいっていうのが、見ていてもその中に入っていけるような展示になっていて、本当にすばらしいなと思いました。
本当に一つ一回こう見ると、世界中を地球一周をマラソンしたような気分になるというか、本当に何回行かれたかも分かっていなかったですけども、42回ですか。何カ国ですか。(私「海外大会は12回です。フルだけで言いますと。」)すごいを通り越していますけども、撮り続けていただきたいと…。ウェブサイトの方も楽しみに拝見させていただきます。本当にどうもおめでとうございます。
(審査員のおふた方、ありがとうございました。オープニングのゲスト・シリーズは、このあと、写真展の主催者であるリコーの方々、私が所属する「明走会」の先輩方、そしてメーン・ゲストの増田明美さんのごあいさつなどを、それぞれ紹介させていただく予定です。ご期待ください!)

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