
東京、山梨、埼玉の都県境にそびえ、東京都の最高峰にして日本百名山の一つ、雲取山。
その雲取山に走って登って撮ったトレランの報告は、いよいよ第4回目の本日が最終回となります!

標高2017.1メートルの雲取山の山頂に立つと、四方の山々を見渡すことができます。
南東側は、稜線の上を「防火帯」として伐採した石尾根の縦走路を振り返ることができます(中央)!
私がたどってきた野陣尾根は、縦走路が見えなくなるあたりの尾根上にある小雲取山から、左側に分かれる支尾根です。
東側の多摩川源流地域は、遠方には奥多摩の山々、足もとには針葉樹が主体の原生林が見えます(左)!
防火帯のわきの部分にはカラマツが生えていますが、まだ芽吹きが始まったばかりです。
西側は、奥多摩から続く奥秩父の山々が連なり、手前にはやはり、針葉樹林のこずえが見えます(右)!
その手前に生えているのはダケカンバで、芽吹きはこれからのようです。
ふもとは初夏でも、2000メートル級の山の上はまだ、早春だということです。

雲取山の山頂から山懐の三条の湯への下山路は、初め「奥秩父主脈縦走路」に入り、間もなく左側の支尾根である「水無尾根」をたどっていきます。
登ってきたときと同じく、足下に春の花々が咲いているところを通り過ぎます。
先を急ぐものの、何枚か撮影したうちの一つは、その代表格であるスミレ(左)!
登山路で紹介したのは東京のスミレ、こちらは山梨のスミレになります。
花びらの元の部分が袋状になった黄色い花を、上下に並べて咲かせているのはキケマン(中央)!
花自体は小ぶりで、1本しか写真に入りませんでしたが、花の上に乗った虫がアクセントになりました!
図鑑の写真を撮るとすれば、虫は邪魔ものになるので振り落とすのでしょうが、このままの方が自然のあるがままの姿だといえます。
そして、やはり登山路でも多く見かけたナス科の毒草であるハシリドコロ(右)!
先に紹介したハシリドコロは若い実をつけただけでしたが、こちらには円錐形の帽子のような花も見えます。
ハシリドコロの花は、ナスの花に少し似た形で、色も濃いものの、同じ紫をしています。

さらに下ると、今度は木々の芽吹きの季節に戻ってきます。
木の幹からすぐのところで、新芽を包んでいた皮を破って、芽吹いていたのはチドリノキ(左)!
近くには、穂のように連なって垂れ下がる雄の花(花序)も見ることができました(中央)!
登りでも見かけたチドリノキはカエデの仲間です。開いてしまった葉だけを見ると、手のひらのような形の葉をした一般的なカエデとは似ても似つきませんが、芽吹きや花の様子は、なるほど他のカエデと似た感じです。
実もやはり、カエデらしくプロペラ型で、その形から名付けられたということです。
日が傾いてきて、通り抜ける広葉樹の林の下の方までは光が届かなくなってきました。
しかし、日陰で柔らかい反射光を浴びた若葉は、みずみずしい緑の色が一層さえて見えました(右)!

雲取山の山懐にある三条の湯からは、谷沿いに山道と約10キロの長い「後山林道」を下りました。
林道に出る手前で見かけた大木はサワグルミ(左)!
サワグルミはその名の通り、谷沿いでよく見かける木。トチなどと同じく、丸い実が落ちて山の斜面を谷底に向かってコロコロと転がっていくことから、谷沿いに多く生えるようになったのでしょう。
鳥の羽のような、切り絵のような葉が空を覆う様子は、木の葉1枚1枚を描いた森の絵で知られる素朴派の巨匠、アンリ・ルソーの作品を思わせます。
林道沿いでは、登山路と同じくオレンジ色のヤマツツジも多く見かけました。
夕方の光を受けたつぼみは、花よりも濃い色が印象的で、空に向かって広がる格好もきれいでした(中央)!
また集まって咲いた白い花が目についたのは、エゴノキの仲間のハクウンボク(右)!
花の形が見えるようにと近づいて撮りましたが、遠くから見ると、その名の通り白い雲のようでした。

この林道もまた、谷間の森に埋もれたような趣で、人工的な感じはあまりしなくなっています(左)!
林道の半ばあたりから、周囲の林で特に目立っていた花は、フジの花です(中央、右)!
公園や庭園の藤棚で見るフジは、当然のことながら背丈は数メートルまでで、横一列に下がっています。
しかし、山のフジはなんと10メートル以上にも達する大木になっていて、縦方向にも並んだ花を見上げると、空から降ってくるようで壮観です!

さて今回もたくさん紹介させていただいた山の草木や風景の写真は以上です。
残りはオマケで、青梅街道に出たところの「お祭」のバス停(中央)と、その付近で撮ったもの。
山の中にしては遅い午後7時すぎの最終バスが来る10分ほど前バス停に着いた私は、バス停前の民宿兼食堂で、トレランの完走を祝う缶ビールを買って、美味しくいただきました(左)!
店じまいをし始めていたご主人もランナーで、ウルトラマラソンまで経験してられます。
平地はあまり速く走れないと、おっしゃっていましたが、雲取山に近い七ッ石山の小屋も経営してられて山を走り回っていることもあってか、富士登山競走は完走経験があるということでした。
やはり「山は山ヤ」なんですね。また山に入る意欲がわきました。
夕闇の中から現れたバスはJRの奥多摩駅行き(右)。終点まで乗客は私1人だけでした!
遅れた電車に乗った私や他の登山客を待たずに出て行った朝方のバスも、きっとガラガラだったのでしょう。
西東京バスのこの路線は、山奥の区間が「自由乗降区間」で、バス停にいなくても手を挙げれば乗車でき、好きなところで降りられるそうです。
電車の遅れを少しくらい待ってくれるなど、さらに臨機応変な運行もして客離れを防ぎ、地元の人にとっても山に行く人にとっても貴重な路線を、存続していってほしいものです。
それでは、また次回のトレラン報告をお楽しみに!
その雲取山に走って登って撮ったトレランの報告は、いよいよ第4回目の本日が最終回となります!



標高2017.1メートルの雲取山の山頂に立つと、四方の山々を見渡すことができます。
南東側は、稜線の上を「防火帯」として伐採した石尾根の縦走路を振り返ることができます(中央)!
私がたどってきた野陣尾根は、縦走路が見えなくなるあたりの尾根上にある小雲取山から、左側に分かれる支尾根です。
東側の多摩川源流地域は、遠方には奥多摩の山々、足もとには針葉樹が主体の原生林が見えます(左)!
防火帯のわきの部分にはカラマツが生えていますが、まだ芽吹きが始まったばかりです。
西側は、奥多摩から続く奥秩父の山々が連なり、手前にはやはり、針葉樹林のこずえが見えます(右)!
その手前に生えているのはダケカンバで、芽吹きはこれからのようです。
ふもとは初夏でも、2000メートル級の山の上はまだ、早春だということです。



雲取山の山頂から山懐の三条の湯への下山路は、初め「奥秩父主脈縦走路」に入り、間もなく左側の支尾根である「水無尾根」をたどっていきます。
登ってきたときと同じく、足下に春の花々が咲いているところを通り過ぎます。
先を急ぐものの、何枚か撮影したうちの一つは、その代表格であるスミレ(左)!
登山路で紹介したのは東京のスミレ、こちらは山梨のスミレになります。
花びらの元の部分が袋状になった黄色い花を、上下に並べて咲かせているのはキケマン(中央)!
花自体は小ぶりで、1本しか写真に入りませんでしたが、花の上に乗った虫がアクセントになりました!
図鑑の写真を撮るとすれば、虫は邪魔ものになるので振り落とすのでしょうが、このままの方が自然のあるがままの姿だといえます。
そして、やはり登山路でも多く見かけたナス科の毒草であるハシリドコロ(右)!
先に紹介したハシリドコロは若い実をつけただけでしたが、こちらには円錐形の帽子のような花も見えます。
ハシリドコロの花は、ナスの花に少し似た形で、色も濃いものの、同じ紫をしています。



さらに下ると、今度は木々の芽吹きの季節に戻ってきます。
木の幹からすぐのところで、新芽を包んでいた皮を破って、芽吹いていたのはチドリノキ(左)!
近くには、穂のように連なって垂れ下がる雄の花(花序)も見ることができました(中央)!
登りでも見かけたチドリノキはカエデの仲間です。開いてしまった葉だけを見ると、手のひらのような形の葉をした一般的なカエデとは似ても似つきませんが、芽吹きや花の様子は、なるほど他のカエデと似た感じです。
実もやはり、カエデらしくプロペラ型で、その形から名付けられたということです。
日が傾いてきて、通り抜ける広葉樹の林の下の方までは光が届かなくなってきました。
しかし、日陰で柔らかい反射光を浴びた若葉は、みずみずしい緑の色が一層さえて見えました(右)!



雲取山の山懐にある三条の湯からは、谷沿いに山道と約10キロの長い「後山林道」を下りました。
林道に出る手前で見かけた大木はサワグルミ(左)!
サワグルミはその名の通り、谷沿いでよく見かける木。トチなどと同じく、丸い実が落ちて山の斜面を谷底に向かってコロコロと転がっていくことから、谷沿いに多く生えるようになったのでしょう。
鳥の羽のような、切り絵のような葉が空を覆う様子は、木の葉1枚1枚を描いた森の絵で知られる素朴派の巨匠、アンリ・ルソーの作品を思わせます。
林道沿いでは、登山路と同じくオレンジ色のヤマツツジも多く見かけました。
夕方の光を受けたつぼみは、花よりも濃い色が印象的で、空に向かって広がる格好もきれいでした(中央)!
また集まって咲いた白い花が目についたのは、エゴノキの仲間のハクウンボク(右)!
花の形が見えるようにと近づいて撮りましたが、遠くから見ると、その名の通り白い雲のようでした。



この林道もまた、谷間の森に埋もれたような趣で、人工的な感じはあまりしなくなっています(左)!
林道の半ばあたりから、周囲の林で特に目立っていた花は、フジの花です(中央、右)!
公園や庭園の藤棚で見るフジは、当然のことながら背丈は数メートルまでで、横一列に下がっています。
しかし、山のフジはなんと10メートル以上にも達する大木になっていて、縦方向にも並んだ花を見上げると、空から降ってくるようで壮観です!



さて今回もたくさん紹介させていただいた山の草木や風景の写真は以上です。
残りはオマケで、青梅街道に出たところの「お祭」のバス停(中央)と、その付近で撮ったもの。
山の中にしては遅い午後7時すぎの最終バスが来る10分ほど前バス停に着いた私は、バス停前の民宿兼食堂で、トレランの完走を祝う缶ビールを買って、美味しくいただきました(左)!
店じまいをし始めていたご主人もランナーで、ウルトラマラソンまで経験してられます。
平地はあまり速く走れないと、おっしゃっていましたが、雲取山に近い七ッ石山の小屋も経営してられて山を走り回っていることもあってか、富士登山競走は完走経験があるということでした。
やはり「山は山ヤ」なんですね。また山に入る意欲がわきました。
夕闇の中から現れたバスはJRの奥多摩駅行き(右)。終点まで乗客は私1人だけでした!
遅れた電車に乗った私や他の登山客を待たずに出て行った朝方のバスも、きっとガラガラだったのでしょう。
西東京バスのこの路線は、山奥の区間が「自由乗降区間」で、バス停にいなくても手を挙げれば乗車でき、好きなところで降りられるそうです。
電車の遅れを少しくらい待ってくれるなど、さらに臨機応変な運行もして客離れを防ぎ、地元の人にとっても山に行く人にとっても貴重な路線を、存続していってほしいものです。
それでは、また次回のトレラン報告をお楽しみに!
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