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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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富士山で単独合宿1

日曜の昨日と休みをいただいた本日の1泊2日で、富士登山競走に向けて単独の「合宿」を敢行しました。

1日目は車道終点の「馬返し」から標高約3100メートルにある山小屋の「太子館」まで。
そして2日目の本日は、馬返しから山頂までを走り(5合目以降は早歩きですが)、2日間で登った標高差は約4000メートルに達しました。

いいトシをして自分の身体をいじめすぎるようにも思いましたが、不思議なことに2日目も身体はかなり動き、ペースも1日目を上回るほど。とりあえずは多少の手応えを得ることができました。

富士山での単独合宿の報告は2回にわたる予定。1日ずれることになりますが、本日は第1日目です。

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富士登山競走マニアにとっての「登山口」である馬返しに愛車のジムニーで到着したのは午後2時前。
午前中の天気予報が思わしくなかったので、ゆっくりめに出発したうえ、首都高の分岐点を間違えてしまい、中央高速ではなく、やや遠回りの東名高速に乗ってしまったため遅い時間になりました。
しかも馬返しに着いたとたんに予想外の雨が降り出し、車内でしばらく雨宿りするはめに。
しかし、ここまで来て走らないわけにもいかず、幸い気温が高めなこともあって、雨の中を飛び出しました。
富士登山競走の試走がまっ盛りとあって、馬返しの駐車場には多くの車が止まっていました(左)。

吉田口登山道の5合目までは、6月の試走の際に多くの写真を撮って報告していますし(27日、28日)雨天でもありましたので、今回はカメラをほとんど取り出すことなく走りに集中しました。
と思いきや4合目付近でハクサンシャクナゲが咲き始めているのが目にとまり、立ち止まって撮影(中央)。

それでも結局、写真は数枚撮ったのみで5合目に到着。
富士登山競走で関門が設けられる「佐藤小屋」の前では、でかいワンちゃんが出迎えてくれました(右)。
この間は脚が軽く、余裕を持って走れ、所用タイムは1時間を切れる感じがしたものの実際は1時間4分。
写真のロスタイムを考えても、やや不本意でした。この区間は登山のコースタイムが3時間で、登山競争では1時間2、3分以内で走りたいところ。私は以前、馬返しからの練習で1度だけ1時間を切っています。

余裕があって速く走れている感じがするのに、実際にはそれほどでもないということは、トシをとるにつれ、よく経験すること。いい感触で走れていても、期待するパフォーマンスに結びつけるには、もうひと頑張りが必要になってきています。

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遅い時間から登り始めたため、次から次に下ってくる多くのランナーとすれ違いました。
気ままに練習したい私は、ふらっと独りで来ましたが、所属する「明走会」の仲間とも顔を合わせました。
5合目の少し手前で「ああっ、辰巳さん!」と声をかけてくれたのは、森口さつきさん(左)。
フルマラソンで3時間15分未満の記録を持つ「国際級」エリート市民ランナーの森口さんは最近、山道を走る「トレラン(トレイル・ランニング)」にも力を入れ、富士登山競争の完走が当面の目標。明走会のほかに所属する地元の「葛西ランナーズ」の仲間と練習に来ていたそうです。

その森口さんに撮ってもらったのが、撥水性の生地のキャップとベストを身に着けた私の写真(中央)。
息が切れていたためか、森口さんの写真は少しブレてしまい、失礼しましたが、こちらはバッチリ。
富士登山競走の卒業は、先を越されそうな気がしてきました。

「辰巳さんと似た人が来ると思ったら、やっぱり!」と6合目付近で呼び止めてくれたのは、松本佳代子さんと伊藤文博さんのコンビ(右)。
伊藤さんは東京・奥多摩で70キロ以上もの縦走路を夜通しで走る「ハセツネ」こと「日本山岳耐久レース」を何度となく完走され、富士登山競走への挑戦も続けてられるベテランランナー。
松本さんもハセツネを2度完走。富士登山にも3度目の挑戦をされるトレイルランナー。
やはりそれぞれ虎視眈々と、この日本一厳しくクレイジーなレースを狙っているわけです。

「5合目の佐藤小屋で一杯やっていくけど、どう?」と松本さんから甘い誘いをいただきましたが、自分だけが楽をするわけにもいかないと思い、8合目を目指しました。

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6合目以降は滑りやすい砂利道や岩場が続き勾配もきつくなるため、富士登山競走の本番でも、多くの人にとって走ることはままならず「早歩き」競争になります。
そんな6合目付近の道のわきに立つ石像の前には、なぜかヒモつきの鈴が大量に積まれていました(左)。

8合目の太子館は、所要時間が5合目から山頂までのちょうど半分に当たり、目安になる小屋(右)。
登山競争の本番では5合目から太子館までを1時間10分以内でカバーしたいところなのですが、今年初の5合目以降で慣れていないこともあり、ズルズルと「後退」。結局、1時間20分ほどかかってしまいました。

雨は弱まったものの、わずかに降り続け、標高が高いため手がかじかむほどの寒さ。
全身ずぶ濡れのままでは、運動量が減る下りの際に体温が低下しますので、私は休憩する際に、担いできたシャツやタイツ、超薄手の撥水性ウインドブレーカーの上下を着込みました。

体を内から温めるため小屋でインスタントのココアを買って飲みましたが、首をかしげてしまうのは、太子館を含めて多くの小屋で室内での休憩が「お断り」となっている「きまり」。
宿泊客の迷惑になることなどが理由らしいのですが、地上の2~3倍もする「富士山料金」の飲食物を買った客まで屋外に締め出すのは、いかがなものでしょうか。

山に慣れていない人も大勢が登山する富士山では、雨や寒さに対する装備が不十分なうえ、疲労や酸素の少なさから動けなくなる人も少なくありません。目の前の小屋で雨風から逃れ、暖をとれないことで精神的に追い込まれる人が出ることもあり得ると思うのですが、どうなのでしょうか。

実際にそんな人がトイレで倒れることが良くあるのか「トイレで寝ている人からは罰金をいただきます」という警告文まで見かけます。
そんなに「お堅い」ことばかり言われるのであれば、国や地元が責任を持って無料の避難所・休憩所を設けるべきだと思いますが、いかがなものでしょうか。

富士山が世界文化遺産の登録を本気で目指したいのであれば、馬返しから5合目までの由緒正しい歴史の道を、交通が不便で廃屋ばかりの「ゴーストタウン」のようにうち捨てていたり、ちょっと考えば分かる程度の安全対策を疎かにしていたりでは、まだまだ資格に欠けると思うわけです。

8合目から下り始めると、雨が上がり雲も晴れてきて、下界の眺望が見えてきました(中央)。
富士吉田市街や冨士5湖の一つ・河口湖の上空には、まだら状の雲が浮かび、夕日に照らされていました。

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時間はかなり遅くなってきましたが、天気が良くなってくると気持ちに余裕が出るもので、下りは写真もちょこちょこと撮りながら小走りしました。
6合目まで下って振り返ると、ちょうど8合目あたりから上は白い雲の中。でもその手前には7合目の区間で斜面に張り付くようにして上下に並ぶ山小屋の数々が見えました。
(登山道はこれらの間を縫うようにしてジグザグについています。)

登山道の山側に設けられた土砂止めの柵の鉄筋の間に生えて花を咲かしていたのはフジハタザオ(左)。
アブラナ科の高山植物で、曇天の夕方であるためか4枚の花弁はことごとく筒状に閉じていました。

砂礫の上点々と株をつくり、花を咲かせていたのはオンタデ(右)。
登山道のわきが切れ落ちている場所では、雲間から見えた山中湖を背景に写真に収めることができました。

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再び樹林帯に戻り6合目の「星観荘」まで下りてくると、建物前にある富士山の神「浅間大神」を祀った石碑の前に2羽のヤマバトがたたずんでいて、信心深くお祈りしているようにも見えました。

上りでは通り過ぎた星観荘ですが、夕暮れどきではあるものの、ちょっと立ち寄りました。
玄関先の棚に並んでいる自家製の果実酒が気になっていて、味見をさせていただこうと思ったからです。
何種類もの瓶がある果実酒の中から、小屋のご主人の奥さまが「富士山ならでは」とイチ押ししてくださったのは、ミヤマハンノキの根本に生える寄生植物「オニク」のお酒(中央=モデルは奥さまのお姉さまです)。
「養命酒」にもブレンドされているというオニクは滋養強壮のクスリになるとのこと。

暖めてコップになみなみとついでいただいたオニク酒は、野趣にあふれ、うまみが詰まったような味(右)。
奥さまが「つまみ」に出してくださった塩漬けのキュウリとも合って、身体中にしみわたる感じでした。
おかげさまで元気が再びわいて、夕暮れどきの山道を再び馬返し目指して駆け下りることができました。

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