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名古屋で現代アートの秋1

今月7日の記事でも紹介した現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2010」の会場を昨日、本日と2日間にわたって見て回りましたので、その様子を1日遅れで2日続けて掲載いたします。

せっかく猛暑が去ったというのに再び引き込んだカゼは体から去らず、トレーニングの再開は見合わせ。
トリエンナーレのフリーパスは少し使っただけで展示全体の1割も見ていないまま。
そこで連休を利用し、ウオーキングを兼ねて見ていない会場をめぐり、アートの秋を楽しむことにしたのです。

トリエンナーレの会場は7日に訪れた長者町繊維街のエリアのほかにも何カ所かあり、そのうち昨日訪れたのは名古屋中心街の栄エリアにある「愛知芸術文化センター」と、その隣の複合施設「オアシス21」です。

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芸術文化センターで、いやおそらくトリエンナーレでも最も大きな作品は、建物の吹き抜けなどを縦横に使い設置された巨大なバルーンの「インスタレーション」(オブジェなどによる空間芸術)(中央)。
日常の空間を突きくずし、見る人に「何これ?」と思わせることが現代アート作品に共通する要素のようです。
この特大作品は全く「何これ?」で、巨大なキュウリのようにもヘチマのようにも地球外生物のようにも見え、たしかに別世界を感じさせてくれて、何だか気持ち悪くもあり気持良くもありました。

センターの中でも、ほかの会場でも、室内で映像を見せるアート作品も多く「展示」されています。
見る人の時間を拘束する映像の作品は、一定の時間にわたり見てもらわないと「成立」しないともいえますがアートというものがそもそも「ひとりよがり」であることもあり、「かったるい」と感じて、見る気がしなくなるものも少なくありません。
そんな中で「おもしろい」と感じた作品の一つが見ている人の体にも映像が投影され、その影も映像と一体化するという工夫を凝らした作品でした(左)。

ビルが建ち並び、増殖を続ける都市の姿が通路の両側の壁に描かれて、迫ってくるように感じさせたのは、インドの作家による作品(右)。
観客は一列になって通り過ぎ、ほとんどの人たちが、壁面にカメラを向けていました。

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7日の記事で、蝶々の形に切り抜いた紙を、天上や壁に無数に貼り付けた作品を紹介しましたが、芸術文化センターでは同じように花や木の葉の形の紙を床に並べたインスタレーション作品がありました。
ピンときたのは正解で、これらはともに愛知県の作家の作品。
前回は気づきませんでしたが今回は、紙を切り抜いたのが図鑑であることが展示の中ですぐ分かりました(左)。

バングラデシュの作家による色鮮やかな戦闘機のオブジェは、近づいてみて驚きました(中央)。
オレンジのレンズ豆など豆類や穀類でびっしりと覆われ、それによって色や模様が描かれているのです。
「軍国主義の象徴としての戦闘機を、市民の生活や生存を象徴する穀物で覆い尽くした」とガイドブックには書かれています。
気の遠くなりそうな手をかけたものも多い現代アートの作品には、極めて感覚的な表現がされているものが多いように思っていましたが、こんな社会派の作品も少なくないようです。

「等身大」の動物彫像を並べたところは子どもも喜びそうな作品でしたが、そのうち撮影が許されていたのはシロクマの彫像だけ(右)。
同じようにユーモラスで愛らしくて存在感のある動物は、このほかにオオカミやペガサスなど幾つもあったのですが、残りは白い壁で覆われた迷路のような「小屋」の中。
この小屋の部分は彫像とは別の作家が手がけていて、そちらが撮影不可なのだと思われました。
写真好きの私としてはがっかりですが、その方が作品を視覚などの五感を通じて記憶しやすいようにも思えますし、人が集まって混雑することも避けられますので、良い点も悪い点もあるようです。

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芸術文化センターの展望室からは隣にある複合施設・オアシス21の屋上を見下ろすことができます。
この屋上は地図に描かれている通り木の葉の形をしていて、しかもほぼ全面に水がはられています。
そして巨大なプールのような水面には、ピンクに黒い水玉を施したお饅頭のようなオブジェが幾つも浮かんでいるのが見えます。

これは、トリエンナーレに出品する作家のうち「目玉」ともいえる草間彌生さんの作品です。
水玉と編み目模様のポップな作品で知られる草間さんは1929年生まれ。
そのご高齢でなお現役で活躍し、時代の先端を走り続けられているというのは、もうそれだけですばらしい。
もちろん雲の上のような方ではありながら、近く迎える50歳を「折り返し点」だと本気で思っている私としては草間さんの作品はもちろん、その存在自体に勇気づけられます。

草間さんの作品は芸術文化センターの中にも展示されていますが、その写真はトリエンナーレのポスターになっていて簡単に目に触れることができますので、本日はオアシス21日の作品のみを紹介します。
オアシスの屋上に来たのは夕暮れで、ピンクのオブジェを浮かべた水面越しにライトアップされたテレビ塔が見え、多くの人が両方を取り込んだ写真を写していました(中央)。

「水の宇宙船」と名付けられた屋上公園では、プール脇を1周することができ、水面に15個浮かんだピンクのお饅頭の作品「命の足跡」も、いろんな角度から眺められます(左)。

プールの反対側に来ると、水の中に120枚のカーブミラーを沈めて並べたもう一つの草間作品があります。
「求道の輝く宇宙」と名付けられた作品のミラー1枚1枚には、小さなテレビ塔が映っていました(右)。
カーブミラーの間から透けて見えるのは、オアシス21の巨大な吹き抜けの下にある地下フロアの部分。
水をたたえたオアシスの屋根は下部が透明で、水を通して下の景色が見えるという凝った造りです。

もともと先進的な現代建築作品であるオアシス21は、現代アート作品を展開するには愛称の良い舞台。
トリエンナーレの作品の数々を見るため歩き回ってお腹はペコペコでしたが、それをしばし忘れてしまうほど、うっとりとするような風景でした。

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