“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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納豆、ビール、きんぴら

休日だった昨日は、朝昼兼用の食事を多めにいただいたこともあり、夕食は軽く済ませました。
とはいうものの、またついつい写真を撮ってしまい、掲載することにしました。

その写真は、お気に入りの納豆とビール、そして久々につくったゴボウとニンジンのきんぴら。
きんぴらは材料を大量に刻んでつくったことから、全体としては手抜きの食事だったのですが、自らその労をねぎらおうと思い立った次第です。

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「大阪の人は納豆なんか食べないよね」と良く言われますが、私は大阪出身であるものの納豆が好物です。
思い起こせば、確かに子供のころに実家で納豆を食べた覚えはありませんが、大学時代に自炊を初めたころ食べ始めたようです。

そして名古屋に来てから病みつきになっているのは国産の大粒大豆を使った「糸引納豆」(左)。
名古屋近郊の春日井市にある「まるあい」というメーカーがつくっているもので、樹脂のパックでもなくワラでもない紙の包みに入った納豆は、どの納豆よりも大粒で、しっとりとして、なるほど良く糸を引きます。
かめば柔らかく、ふくよかな味わいの糸引納豆は、モリモリと食べられる感じで、夕食のテーブルに乗せても全く違和感がありません。

酒飲みである私はビールも、もちろん好きですが、市販されているビールの中でも別格に美味しいと思うのは「銀河高原ビール」です。
知る人ぞ知るプレミアムビールの老舗・銀河高原ビールは、私が仙台に勤務していたころ登った東北地方の知られざる名峰・和賀岳のふもとにある岩手県西和賀町の醸造所でつくられています。

長らく愛飲してきた銀河高原ビールですが、名古屋では近くのスーパーやデパートには見当たりません。
そして年末、ついに我慢がならなくなって、缶が2ダース入った箱を通販で購入してしまいました。
購入したのは何種類かある銀河高原ビールの中でも、酵母が生きている本物の生の「ヴァイツェン」(中央)。

琥珀色のヴァイツェンは若々しい感じの味も香りも最高ですが、生だけあって要冷蔵なのが困りもの。
大切に飲みながらも、ようやく残り少なくなってきましたが、冷蔵庫内のスペースを大幅に占拠してしまうこのビールをもう一度まとめ買いするかどうかは悩ましいところです。

ということで、納豆とビールの好きな銘柄を紹介しましたが、きんぴらは普通のきんぴらです(右)。
外で食べたり市販していたりするものと違うところといえば、薄味で、大量につくること。
材料を「笹がき」(といっても、私は鉛筆を削るようにはやらず、ゴボウをまな板の上で転がしながら、包丁でやや厚めにスライスします)するなどの手間を考えると、少しずつつくるのはめんどうですし、甘辛くしすぎると素材の味が楽しめません。

そこで今回は、ゴボウ3本とニンジン1本を一気に使い、少量の醤油と酒だけで味付けしてつくりました。
もちろん、炒めるためのオリーブオイルと鷹の爪、最後に香りをつけるごま油も使いましたが、ごく薄味。
これなら、箸休めとしてではなく、主菜としてパクパク食べることができるというわけです。

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新宿で兄の芝居

一昨日、東京に行っていた際のネタを、もう1つアップします。それは新宿で観た兄(辰巳琢郎)の芝居です。

この日は私の写真展のリバイバル展示をしてくれている江東区の深川スポーツセンター、そして来月に私のミニ写真展を開いてくれる銀座のリコーフォトギャラリーRING CUBEを回ったあと新宿で観劇。
その後、夜行のバスで名古屋への帰途についたわけです。

その芝居は、イギリスの作家サイモン・グレイによる会話劇の「サイモン・ヘンチの予期せぬ一日」。
35年前にロンドンで初上演された作品で、今回は「古川オフィス第11回公演」として水谷龍二氏が演出。
兄が主役なのですが、演技派のベテラン俳優らがわきをがっちり固めてくれています。

場面が変わらないまま約2時間にわたって延々と台詞が続くという地味な芝居ですが、考えさせられることの多い内容で、演出にも演技にも破綻がなく、意外なほど楽しめる舞台になっていました。

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劇場で撮影した写真は、芝居を見終わってから楽屋を訪ねた際に兄と撮ったツーショットだけ(中央)。
あとの2枚は、会場でいただいたパンフレットを撮影したもので、お茶を濁します(左、右)。

芝居のストーリーはネットでも調べられますが、おおよそ次のような具合です。

編集者である主人公が、教師をしている妻の出張中に独り自宅で、新調したワーグナーのレコードを聞こうとしたところ、ひっきりなしに訪問者が続いて、なかなか独りになれません。
主人公の家に間借りしている世間知らずの男子学生、酒癖の悪い友人の文化記者、そのガールフレンドで主人公も誘惑する女子学生、副校長への昇進試験の面接がうまくいかずイライラする兄、兄の同級生でありフィアンセを主人公に寝取られたという男、そして最後に、帰宅して教え子との浮気を告白する妻-。

何が起きても動じずに、柔和な物腰を崩さない主人公は、妻に浮気されても現在の生活を保とうとしますが、最後には妻から妊娠していると(しかも「誰の子なのかが問題なのよ」と)告げられます。

一流大学や寄宿制学校、出版界といったイギリスの知識層の伝統が、反抗的な若者やフリーセックスなどの新しい波に揺り動かされるといった1970年代の雰囲気が、舞台からは伝わってきます。
しかし世代の違う者同士や、兄弟、友人、男女間の関係における様々な問題は、時代も国境も越えて普遍的なもののようで、根本的なところで古さも違和感も感じないのは、名作である証拠なのでしょう。

銀座で「Portugal」

ほぼ1年前に私の写真展「走った!撮った!世界のマラソン」を開催していただいた東京・銀座のリコーフォトギャラリー「RING CUBE」を昨日、用事があって訪ねました。

もちろんギャラリーの展示も楽しませてもらいました。
会期があす30日までとなった現在の写真展「Portugal」は、私の写真展を含めてギャラリーで4回目となる公募展で、大阪在住の会社員・大門正明さんと妻の美奈さんが夫婦2人でポルトガルの街の風景を撮影した作品約40点を展示するものです。

ギャラリーには、ちょうど大門正明さんがいらっしゃって、作品の説明をしてもらったほか、公募展で選ばれた写真好き同士として歓談し、意気投合しました。

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Portugalの作家の1人である大門正明さんは、お洒落で格好の良い作品の数々から想像するよりも、ずっと気さくな感じのひと(中央)。

私が撮らせてもらったご本人の写真を見せると「なんだか、悪徳営業マンみたいですね」と大門さん。
ドーナツ状のギャラリーの中で、内側の壁に正明さんの作品が、外側の壁や窓際には妻・美奈さんの作品が展示してあることについては「こちら(内側=自分の)は下手な写真、あちら(外側=妻の)は上手な写真なんです」と、冗談を飛ばされました。

本当のところは、全然そんなことはなく、お2人の写真は似ているところも異なるところも、それぞれ、ほどよくあって、見比べているだけでも仲の良さが想像できる感じ。
しかもタイトルボードなどの作者名は、奥さまの方が先に書かれ、レディーファースト(右)。
「私はともかく、妻の方が写真でもうけられるように支援してやりたいのです」と、言葉からも、奥さまに対する愛情が伝わってきます。

最近まで東京都内に住み、RING CUBEが開催するワークショップにも参加。ギャラリーの写真展には私のときも含めて毎回足を運ばれたという大門さんは、根っからの写真好き。
写真を撮ることを目的にポルトガルに10日間も滞在して、じっくり撮ったという作品は、そのまま旅行雑誌やファッション写真に使えそうな完成度で、走って人と絡みながらスポーツ的に瞬間を切り取るという粗っぽい撮り方をする「走った!撮った!」の写真とは対照的です。

カメラも携帯性と速写性を最優先して、ズームレンズの付いたリコーのコンパクト機を愛用する私に対して、大門さんはフィルムに当たる撮像素子がずっと大きい「フォーサーズ」のO社製カメラを、奥さまはP社製カメラを使って、コンパクトではできない「ボケ表現」などもふんだんに駆使されています。
(とはいえ、今回の写真展を機にフォーサーズよりも大きい「APS-C」の撮像素子を使ったレンズユニットも使えるリコーのユニット交換式カメラで、私が愛用する「GXR」を、大門さんも入手したそうです。)

私には真似ができそうにない上品・上質で芸術的な写真を楽しめる「Portugal」。
明日までになりましたが、銀座にお寄りの方は、どうぞ足を運んでみてください。
写真とお酒が大好きだという大門正明さんと美奈さんの素敵なご夫婦に会うことも、できるかもしれません。

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さて、私がRING CUBEを訪ねた用事といいますのは、先にもお知らせした2月16日から28日までのミニ写真展「走った!撮った!東京マラソン2010(仮題)」の展示スペースの確認や打ち合わせです。
今年の東京マラソは残念ながら初めて抽選で落ちて、走ることができませんが、その代わりにコースの要となる銀座4丁目交差点のギャラリーという「外野」で、勝手に応援イベントをするというわけです。

そして、去年の写真展のリバイバル展示は、江東区の深川スポーツセンターで今も開催中。
現在は3大会目となる「ロンドン・マラソン」の写真が展示されています(左)。

展示スペースとなっているセンターのロビーでは、「みんなの声を聞かせて!」と、私やセンターへの「ひとことメッセージ」を呼びかけるコーナーも、つくってもらっています(中央)。
メッセージと合わせて、見てくれた人が自分の好きな写真を投票するという試みも行われて、子どもたちらが書き込みをしてくれています(右)。

深川スポーツセンターでは2月18日から27日まで、やはり東京マラソン直前の時期に、一昨年まで計3回の東京マラソンで撮影した写真が展示される予定。
この時期は、銀座と深川で過去4回の東京マラソンで撮影した「走った!撮った!」の写真を一挙に公開するという趣向です。ご期待ください!

雪の富山でジョグ

出張などのために写真を撮った日と記事を書く日にズレができていますが、28日の記事として掲載するのは27日、雪に埋もれた富山市内をジョギングした際のものです。

駆けっこ好きの私にとって、出張の楽しみは、訪れる旅先で街や山を走ること。
もう1つの楽しみである出先の同僚らとの宴と駆けっこの両方をこなすのは、相当の体力を必要としますが、それでも旅で訪れる土地を肌で感じるにはランニングが一番です。

両親の出身地である隣の石川県にはよく訪れていた私ですが、富山県は、あまりなじみがありませんでした。
大学を卒業して1年間の就職浪人をした際、伯母が金沢市内で開いていたモダンな工芸品を売る店で、夏に店番の手伝いをして、そのついでに北アルプスの名峰・剣岳に登ったのが最初の富山訪問でした。

そのときは、やはり店番に来ていた「またいとこ」の憧れのお姉さんが、以前バイトをしていた剣岳の小屋まで婚約者に会うため出掛けるのにノコノコ着いて行って、小屋から山頂までの岩場の難所は独りで、ほろ苦い思いをかみしめながら猛スピードで往復しました。

ここ数年の間にも、やはり北アルプスの薬師岳から立山までを走ったほか、奥穂高岳から槍ケ岳、双六岳、三ツ俣蓮華岳、水晶岳と富山県をかすめて走っていて、結局のところ私にとっての富山の記憶は山ばかり。
富山市内に、ちゃんと足を踏み入れるのは今回が初めてでした。

ですから、前夜は先輩と食べて飲んだのに続き、後輩らと午前3時まで飲んだうえ、朝方は雪が降りしきっていましたが、小降りになったところで一念発起、白い街に駆け出しました。

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当初は事前に買い込んだ富山市の地図を見て、街の西方にある丘陵を回って10数キロを走ろうと目論んでいましたが、雪のため思うように走れず、富山城趾と神通川を見て5キロほどを走るのがやっとでした。
札幌の冬のように気温が低くないため、降る雪そのものが、大粒で湿った「ぼたん雪」。
歩道に積もった雪も、地下水を利用した融雪装置などで、どんどん溶けていくため、足元はグチャグチャ。
ゴアテックス仕様のトレランシューズで靴の中は濡れないものの、スピードは出せなかったというわけです。

歩道の雪を避けて飛び跳ねたり、雪の積もった部分でつま先立ったりしながら走って、ようやく、たどり着いた富山城趾は雪の中(中央)。
石垣や堀が往時をしのばせるものの、戦後に建てた城郭はこじんまりとしていて、普段でっかい名古屋城を見慣れている私としては、少し物足りない感じがしました。

しかし城趾のそばを流れる松川は、両岸の木々が生い茂り、風情のある雪景色になっていました(左)。

木々のこずえに積もった雪は、見ているうちにもドサッドサッと川面に落ちていきます。
そんな雪の固まりが、ところどころに流氷のように川面に浮かぶなか、カモたちもまた、ときに流れに乗って、またときに流れに逆らって泳いでいました(右)。

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富山城趾を過ぎて、やって来た神通川に架かる橋は、たもとも橋げたの上もシャーベット状の雪で走りにくいことこの上ありません(左)。

かつて上流の岐阜県・神岡鉱山から流れ出したカドミウムが原因で、富山側の流域にイタイイタイ病が発生したことで有名な神通川の景色は、ぜひ見たかったのですが、岸辺は真っ白なうえに、降り続く雪にけむって水墨画のよう(中央)。
群れたサギたちが、首をすくめるような格好で岸辺にじっとして、たたずんでいました。

駅前のホテルに戻ってくると、雪は一時やんで、市街地や神通川の白い河原が見渡せました(右)。
仕事を終えて、夕方に東京で開かれた(私が所属するランニングクラブの)明走会の幹事会に出席するため、今度は富山から午後3時半ごろに飛行機に乗りましたが、午前中の便は降雪のために欠航になったそうで、あやうく雪国を脱出しそびれるところでした。

はるばる富山に

昨日は1泊2日の出張で、はるばる富山に来ました。
実のところ、本日は富山での仕事を終えて、今度は東京に来ています。

そして本日の午前は、雪に埋もれた富山の街でジョギングもしたのですが、その際の写真は明日アップすることにして、とりあえず、昨日の夕方から夜にかけて撮影した富山名物である路面電車など乗り物や新鮮な魚の写真を紹介します。

そして、ここからが続きです。
午後の仕事に向け、名古屋からは米原経由で北陸本線回り富山行きの特急に乗り込みました。
始発から終点まで乗って、所要時間は約3時間40分。長い長い列車の旅でした。

当初は山あいの雪景色を楽しむため、4時間以上かかるものの少し割安の高山本線の特急を利用しようかとも考えましたが、準備が間に合わず、北陸本線回りになりました。
しかし、こちらも出発して1時間足らずのうちの岐阜県内で車窓は雪景色に変わり、その後もずっと銀世界が流れていきました。

私は両親がともに石川県の出身で、子供のころから母の実家などに行くため北陸は何度も訪れています。
しかし、そのほとんどは夏休みを利用した旅行だったことから、雪景色の北陸は初めての体験となりました。
河口付近に架かる橋を冬に渡る際、雪や強風を防ぐために欄干に沿ってムシロが立てられいた-という母の話は記憶に残っていますが、実際にこの地域の冬景色を見たことはなかったのです。

線路が山の近くを通るたび、窓の外に見える家々の屋根に積もる雪は厚さを増し、多いところでは50センチ以上にもなります。大粒のボタン雪はほぼ降り続けていて、風景は紗をかけたようで幻想的です。
昔ながらの駅舎が残る駅もあり、子供のころに胸を躍らせた夏休みの景色が記憶の底からわき上がります。

しかし、母の実家に近い小松駅は駅舎がいつの間にか新しくなり、ホームがガラス張りのトンネル状の屋根に覆われてモダンで味気ない景色に変わっていました。
ただ、雪や風を防ぐためにこうしたのだと思うと、橋にムシロを立てたころと、冬の厳しさは何も変わってないのだということが分かるように思いました。

雪景色が延々と続く列車の旅をしていると、日本の半分は毎年こうして雪に埋もれるのだという、当たり前でありなながら日ごろ意識することのない事実を再認識させられます。
そして、差別的な響きがあるとして使われなくなった「裏日本」という言葉が、実に的を射た表現だということもまた実感できました。

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私が乗車した特急「しらさぎ号」は、白を基調にしたシックな車体で、シートは新幹線のようです。
赤とクリーム色のツートンカラーで、先頭車輌の「顔」が、カバのような姿の流線形だった昔の特急の面影はありません。

しかし、富山駅のホームに降り立つと、向かい側に止まっていた列車は薄紅とクリーム色で、その昔に急行や快速として使われていた車輌と同じものでした(右)。
向かい合わせになった座席の足元に新聞紙を敷き、靴を脱いだ足を乗せてくつろぎ、窓を開けて売り子から駅弁や、ソフトな樹脂の容器に入った緑茶を買った昔の鉄道旅行の記憶が、再びよみがえります。

富山の駅舎は昔ながらの姿ではないものの質素な造りで、県庁所在地の駅舎としては寂しい感じ(中央)。
徒歩で駅の南側と北側を行き来するには、とんでもなく長く寒々とした地下通路を歩かなければなりません。

富山市内には路面電車の路線が幾つもあって、レトロな風情をかもしています。しかし、JRの駅裏に当たる北側から伸びる路線の電車は、大きな窓と曲線を生かしたモダンなデザインでした(左)。

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夕方に富山市内であった仕事を終えたあと会社の出先に立ち寄り、責任者を務める先輩に誘われて地元の名産である新鮮な魚などを食べに出かけました。
案内してもらった料理店で、まず運ばれてきたのは、刺し身の盛り合わせ(中央)。
ほかの地方でも見られる一般的な魚の刺し身に加えて、富山ならではの料理法である「昆布じめ」の魚や、サザエの形の陶器に盛られた特産の「シロエビ」の刺し身もありました。

実はシロエビという名物があることを初めて知ったのは、ほんの数時間前のこと。
名古屋から長時間乗った特急列車の中で、通路を隔てて反対側に座っていた富山美人の千晶さんに富山についてのあれこれをうかがっている際に、その名前を聞きました。
「富山といえば立山、しんきろう、ホタルイカ…」と、私が教科書レベルの知識を頭の中から掘り起こしてみたところ、「ホタルイカとシロエビ」ですね、と教えられたというわけです。

「ホタルイカは家でも酢みそ和えにしますが、シロエビは普通の家庭ではあまり食べないようですね」
刺し身や天ぷらが美味しいものの、殻をむく手間が大変なことなどから家庭の食材としては一般的でないというそのシロエビが、ちゃんと出てきたものですから、思わずほくそ笑んでしまいました。

新鮮な刺し身の魚はどれも歯応えがあって、しっかりしたうま味が詰まっているなか、シロエビは、ねっとりとした歯触りと口の中に広がる甘味が最高でした。

次なる珍味はゲンゲ(幻華)の唐揚げ(左)。
ホッカイアカエビ(甘エビ)を捕る底引き網に、エビと混ざってかかるという「冷水性」の珍魚であるゲンゲは、ヌルヌルとしていてゼラチン質が多い魚だということです。
しかし唐揚げはほどよくパリッとしていて上品なうま味があり、骨まで全部食べることができて、カルシウムやコラーゲンをたっぷり摂ることができるようでした。

そして極めつけは、お店の美人が、ポン酢とともに運んできてくれた氷見ブリのシャブシャブ(右)。
刺し身のままでも十二分に美味しそうなピカピカで厚切りのブリを、豆乳でサッとゆがいていただきます。
油がたっぷりのったブリは生のままでは、いくら美味しくてもたくさん食べられないものですが、シャブシャブにすれば、味は生に近いままでも、あっさりとなって、いくらでも食べられる感じです。

千晶さんの地元である富山県・氷見市の港に水揚げされる氷見ブリは、天然ブリの一流ブランド。
そのため福井県内で水揚げされたブリを安く仕入れて氷見ブリと偽り、東京・築地で売ったという偽装事件が起きて、世間を騒がせたばかりです。

「回遊魚で、北陸沖を行き来しているブリは福井で捕れても『氷見ブリ』で良いと思った」
そんなふうに知れっと話す業者の言い分そのものは、分かるような気もしますが、金をもうけようとしてズルをしたのは事実ですから、苦し紛れの言い訳であることも間違いありません。

まあそれはそれとして、捕れたての天然ブリが、ほおが落ちそうになるほど美味しいのも事実で、だからこそ偽装事件も起きるわけですから、こんな事件でブランドが傷つくのは地元の人たちにとってもブリにとっても、とんだ迷惑だと思います。