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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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御池岳トレラン1

4日に鈴鹿山脈の最高峰・御池岳に登り、その南にある藤原岳まで縦走したトレランの報告を本日から3回に分けて掲載します。
まずは、ふもとの大君ヶ畑(おじがはた)から、御池岳の北方にある三国岳の近くの尾根にとりつくまでに撮影した12枚を、とりあえず写真のみアップします。

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登山口の大君ヶ畑から御池岳を目指すには概ね3つのルートがあります。
一般には国道に沿って鈴鹿の主稜線上にある鞍掛峠を経由するルートを通りますが、これ以外に峠の北にある三国岳を経る迂回ルートと登山口から直線的に尾根をたどるルートがあります。

そのうち尾根のルートは、地形図には記されているものの、登山地図ではルートとしては認められておらず、道が荒れて踏み跡程度があるかどうか。逆に迂回ルートは谷沿いの林道から尾根に登る道が登山地図では描かれているものの地形図にはありません。
地形図は普通、山の地形に関しては断然詳しいものの、測量が古いことなどから人が通らなくなって「廃道」になった道が描かれたままのこともあるため、私は登山地図の方を頼りに迂回ルートをとることにしました。

私は物事の選択に迷ったときに、こうして回り道の方を選ぶことが少なくありません。その方が、その時々に過ごす時間や生活、そして人生まで豊かになるように思うからです。人生なんて、最初と最後は決まっているわけですから、それを直線で結ぶよりも、回り道が多い方が楽しいように思えるのです。

ほんの5日前も鈴鹿の山に入っているため、走り始めた林道から見る景色は先日に見た景色とだぶるような気もしますが、駆け足で季節が深まるこの時期、5日分でも、さらに緑が濃くなっている感じです(中央)。
早春の花、ヤブツバキが花を落とす勢いも早まっているようで、落ちたばかりのような花もありました(左)。

山の桜は山道でも林道でも、こずえが高いところにあって、近くで花を見ることが難しいのですが、水たまりに散った花びらによって、ようやくその存在を間近に感じることができます(右)。

BL110504御池岳1-4R0011563  BL110504御池岳1-5R0011582  BL110504御池岳1-6R0011561

少し離れたところから桜のこずえを見ると、時おり風が吹く度に花びらがハラハラと散って飛びます(右)。
カメラを構えれば風がやみ、立ち去ろうとすればまた風が吹き。ようやく撮れたのが、この程度の写真。
桜並木で一斉に散る「花吹雪」がイメージとして頭の中にあるため、こんなに控えめな花びらでは寂しい気もしますが、考えてみると、ここは山。こんな感じが現実なのです。

この桜の近くで右手の谷を渡り、尾根にとりつく道が登っているはずですが、付近を行き来しても谷に下りる道もなければ登る道も見えず、道標も全くありません。
そもそも、このルートを記しているのは登山地図で、細かい地形から登り口を特定することも困難です。
尾根までの標高差は約300メートルと、かなりありますが、道がなくても比較的登りやすそうな谷状の斜面をはい上がることにしました。

しかし、整備された道を走り慣れてしまった自分の足にとって、道のない山の斜面は、なかなか手強いもの。
谷状の斜面が左右の二手に分かれるころには傾斜がきつくなり、登るのも下るのもヒヤヒヤになります(左)。
私は当初、流れのない右手を選びましたが、結局は危険でよじのぼることができなくなって引き返し、傾斜が急になっても手がかりの多い左手の谷を詰め、それでも一歩間違えば転げ落ちそうな斜面を横切り樹林の中に潜り込みました。

谷の岩場をよじのぼっているとき、ふと目の前に現れたのが3輪そろったスミレの花(中央)。
登山道わきのスミレよりも、みずみずしい感じがするこのスミレ、写真で紹介しなければ私以外の人間が目にすることは間違いなくなかったはず。いとおしく感じるスミレとの一期一会でした。

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ようやく尾根に到達すると、踏み跡程度の道が現れましたが、それでもガレ場や樹林帯をはい上がってきた身にはありがたく感じます。

山道は、それに沿って林道ができるなどして歩かれなくなると、いとも簡単にヤブに覆われたり崩れたりして廃道になり、消えていくものです。
重機を使って山を崩して自然を傷めながら一気につくる林道や舗装路と違って、自然の地形になじむようにつけられた山道は、先人たちの気の遠くなるような苦労によってつくられ、引き継がれてきたものです。

山道を歩き慣れてくると、その一部がヤブに覆われたり、踏み跡程度になったりしても、その先がどう続いているかが感覚的に分かるようになります。地形になじみ歩きやすい道をつくる「作道感覚」とでも言える感覚を先人たちと共有していると実感できる場面です。

そんな人と自然との対話によってつくられた貴重な山道が歩かれなくなり、消えていくのは悲しいものです。
山を走るトレイルランナーのことを、登山者や自然保護グループの人たちが目の敵のようにしているケースがありますが、私はやはり、それは了見が狭い心なのだと思います。

踏み跡程度になって消えてしまいそうな山道も、多くの人がどんどん歩いたり走ったりすれば、よみがえっていくこともあるはずです。
足下の草花には興味がないように見えるトレイルランナーだって、山を多く走れば、自然のことが分かってくるはずですし、ふと立ち止まって足下の自然を見つめることがあるはずだからです。

その足下の花、尾根の上では期待したほどは多くありませんでしたが、イワウチワ(中央)やミヤマカタバミ(右)などが時おり現れて、目を楽しませてくれました。
尾根の樹林には、爪楊枝に使われたクロモジの仲間であるシロモジなどが、小さな黄色い花を、無数に吹き出すようにして咲かせていました(左)。

BL110504御池岳1-10R0011616  BL110504御池岳1-11R0011611  BL110504御池岳1-12R0011617

シロモジなどの黄色い花が咲き乱れる尾根から、北の方に目をやると、鈴鹿山脈の北の端にある霊仙山の勇姿を眺めることができました(中央)。
尾根の上にはまた、ミツバツツジの仲間とみられるピンクのツツジも、あちこちに咲いていました(左、右)。

この尾根が鈴鹿の主稜線に、ぶつかったところにある三国岳は、その名の通り。滋賀県(多賀町)と岐阜県(大垣市)、三重県(いなべ市)の3県にまたがっています。
登山地図では、そこまでのコースタイムが2時間20分とありますが、実際に費やした時間はその2倍近く。

気が付けば、余裕しゃくしゃくのはずだった予定が、一気にタイトなものとなっていました。
少し焦って走ったものの、道なき道をはい上がったダメージは大きく、私の脚はかなりきつくなっていました。

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