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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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恵那山トレラン1

中央アルプスの南端にある恵那山を昨日、走って登りに行ったトレランの報告を本日から始めます。
標高差1600メートル余り、距離30キロ近くを約10時間かけて走り歩いた間に撮った写真は500枚近くに上りますが、そのうち36枚を4回にわたって掲載します。

恵那山に登る4つの登山道のうち私がたどったのは、西側にあって距離も所要時間も最も長いコース。
「前宮ルート」と呼ばれるこのコースは、ふもとにある恵那神社前宮を参拝してから山に入る伝統的な道で、明治時代に来日し、日本アルプスを巡って、そのすばらしさを世界に伝えたイギリスの宣教師、ウォルター・ウェストンも1893年に恵那山に登頂した際、歩きました。

しかし1959年の伊勢湾台風で道が荒廃し、もっと楽に登れる登山道が開設されたことから、前宮ルートは「廃道」となって自然に埋もれていきました。
それが、地元の有志らによって再び整備され、よみがえったのは40年余り後の2001年秋。
ウェストンを顕彰して、恵那神社前宮の手前を流れる中津川のほとりに「ウェストン公園」がオープンしたのに合わせてだったということです。

前宮ルートは最も長いコースである半面、中津川駅のある市街地から最も近く、バスの便が悪い平日だったために駅からタクシーを利用しましたが、あまり懐はいたみませんでした。

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タクシーは恵那神社前宮まで上って行けるということでしたが、やはりウェストン公園は訪ねたいもの。
ウェストンが恵那山に登頂した5月11日に毎年「恵那山ウェストン祭」が開かれるようになったこの公園は、ウェストンの銅像しかないと聞いていたとおり、広場のすみに銅像がポツンと設置されているだけでした。
腕組みをしたウェストンは、ここからは実際に見えない恵那山の頂上を向いていました(左)。

車道を恵那神社に向かう際、川の段丘の緩い斜面上につくられた棚田では、田植えから間もない稲の苗が初夏の陽光を浴び、空に向かって背伸びをしていました(中央)。
こんな山あいの狭い土地でも、人の命を育む農業が営まれているのを見ると、もっと広くて肥沃だったはずの膨大な農地が原発の事故によってうち捨てられてしまうことを思って胸が痛みます。

恵那神社前宮では、本殿の前に並ぶ高さ50メートル近く、樹齢600年から800年という見事な2本の杉が天をついているのが圧巻でした(右)。
「夫婦杉」と呼ばれる、これらの杉は岐阜県の天然記念物に指定されているということで、修験道の山として開かれたという恵那山の歴史を感じさせてくれました。

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恵那神社前宮から谷沿いの林道を1キロ余り登ると登山道の入口で、梯子を横にしたような橋で渓流を渡り樹林の中に入っていきます。
段丘状の緩やかな斜面の植林地を抜け、頂上まで続く尾根に取り付きますが、植林地では、薄暗い林内の低木の葉に、木漏れ日が当たって葉を光らせていました(中央)。

尾根道は地図上で4キロ余りの間に標高差1000メートル以上を一気に登り、登り一辺倒でハードですが、登るにつれブナ帯から亜高山の針葉樹林帯へと植生が変化し、花も多くて飽きることがありません。
ブナ帯に差しかかるあたりで目立ったのは真っ白なツツジのシロヤシオ(左)。
登山道わきに満開になったシロヤシオは、白い花が陽光を浴びて光り、シャンデリアのように明るく見えて、視界に入ってくるとハッとします。

釣り鐘状の小さな花を鈴なりにつけるドウダンツツジの仲間も時おり見られましたが、写真に収めた薄紅色の小さな花は同じ仲間とみられるものの名前が特定できません(右)。

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信仰の対象だった山の伝統のある登山道とあって、この前宮ルートも富士山のように「5合目」などの区分があり、古い石柱の道標や看板を見かけますが、富士山では頂上が10合目なのに対して、恵那山では、ほぼ登りきった標高2000メートル付近が16合目です(山頂は20合目らしいです)。
5合目を過ぎてしばらく登ると、巨大な幹の枯れ木が行く手に現れます。
「枯大桧」と名付けられたヒノキの枯れ木で、幹の途中から赤いツツジのアカヤシオが生えていますが、花の時期は既に過ぎていたようです(中央)。

枯大桧からしばらくのところでは、足下にシロヤシオの花が落ちていました(左)。
5枚の花びらがセットになったまま落ちた花は、シベが通っていた中央部に丸い穴があいて、枝に咲いている花とは趣が異なり、プロペラのように見えました。

枯大桧の他にも所々で枯れた大木を見かけましたが(右)、朽ちた幹からは別の木々が生えてくるなどして、終わりを迎えた命が新しい命を育む様子がわかります。

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