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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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1杯目から「かすみ亭」

FM横浜での番組収録や東京夢舞いマラソンのスタッフによる試走会にクラリネット演奏会など、盛りだくさんだった週末に続いて昨日は私の会社の本社で仕事があり、今回の上京日程の締めくくりとして駆けっこ仲間の輝子さんが営む新橋の「かすみ亭」に出かけました。

以前「『かすみ亭』で、もう1杯!」という記事(昨年6月4日付)でも紹介しているかすみ亭は、これまで2次会で利用させていただくことがほとんどでしたが、輝子さんが腕によりをかけてつくられる料理の数々は、2軒目でうかがうのは失礼なほど美味しく、大きな満足感を得られるものばかり。
そこで昨夜はスタートの時間が遅かったこともあって、夕食をいただきに訪れることにしました。

そんな1杯目からのかすみ亭に付き合ってくれたのは、メジャーなランニング雑誌の若手編集者、美郷さん。
先日の写真展「走った!撮った!わが町マラソン」に来場してくれた美郷さんは、お仕事で写真を撮る機会も少なくないということで、その後、私が愛用しているのと同じリコー製のカメラを購入。
しかし「せっかくのカメラを使いこなせていないので、こっそり指導してほしい」などと頼まれて成り行き上からも「ノー」と言うわけにはいかず、「おじさんの街」新橋の裏路地にあるかすみ亭にお連れしたわけです。

ところが、輝子さんから「前の記事を見て店を訪ねてくれるお客も多いのよ」と聞かされたことから、こっそりとお忍びで出かけたはずが再び久々にお店の紹介をしないわけにはいかなくなり、写真の実技講習を兼ねて輝子さんとともに美郷さんにも被写体になってもらい、ご登場を願いました。

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新橋の街はJRの新橋駅と線路を隔てて西側の烏森口に広がる昔ながらの「おじさんの飲み屋街」と、東側にある汐留の再開発地区とが見事なコントラストをなしています。
私の会社は汐留の高層ビル街の一角にあり、ビル街では窓ガラスに近くにあるビルが映り込む光景も見られます(左)。

そして、かすみ亭があるのは烏森口側の飲み屋街で、昭和の香りが漂う建物の中でも特に「昭和そのもの」といった感じの2階建てビルの2階にある店には、コンクリートの狭い階段を上り、やはり狭い廊下を進んで、たどり着きます。
ドアを開けて広がる空間は、予想できる通りごく狭いものの、カウンターに並ぶ料理も壁や調度も、すべてが白熱灯の光に温かく照らされて、懐かしいようなホッとするような気持ちになります。
そうした柔らかな空気を、いっそうなごませるのが輝子さんの笑顔(中央左)。

私の写真展のオープニングで毎回、美味しい「おいなりさん」を差し入れてくれる輝子さんですが、大皿に盛りつけられた料理の数々もやはり美味。
旬の食材、自然で新鮮な素材にこだわる輝子さんの料理は、どれも家庭料理風ですが、どこかにひとひねりが加わっていて、見た目に美しいのも特徴です。

例えば、私も大好きなイカとサトイモの煮付けには鮮やかな緑のサヤインゲンが添えられ、サンマの煮付けは酢を加えて下ゆでしたうえ圧力鍋にかけられていて、骨まで丸ごといただけました。
その旬のサンマは大震災で甚大な被害を受けた宮城県・気仙沼港で、港の機能が回復したことから水揚げされたばかりのもの。
やはり大被害を受けた岩手県・陸前高田市に住まれたことがある輝子さんは、今回の震災で深く心を痛め、義援金を集める活動にもたずさわっただけに、食材を利用することによる被災地の支援にも気を配ってられます。

そして被災地の名産品といえば、お酒。
昨夜は、宮城県塩釜市の銘酒「浦霞」を、たっぷりたんのうしました(中央右)。

浦霞といえば、先月23日の記事で写真を紹介した地元限定の純米吟醸酒は、「わが町マラソン」の接待係・尚美さんが塩釜にある実家への帰省と被災した友人宅などを訪ねた際に調達してきてくれたもの。
その尚美さんは「わが町」の会場となった「ギャラリー遊」のオーナー・遊座さん夫妻と一緒に先日、かすみ亭を訪ねてくれています。
美郷さんも、なんとやはり仙台出身で、飲んべえの私を前に一歩も引くことなく、涼しい表情で郷里のお酒をグイグイ飲み進められました。

かすみ亭ではカウンターの料理のほか、できたてのイカの塩辛もいただきましたが、その味が懐かしくなった私は今夜、安くて新鮮なイカを2杯買ってさばき、久々に塩辛をつくるとともに、イカの刺身や、足とエンペラ(耳)のサッとゆでたものもつくり、イカの「3変化」を楽しみながら、残っていたウチの浦霞を味わいました。

おじさんに連れられて、おじさんの街に足を踏み入れた美郷さんは「写真の指導というのは口実で、辰巳さんとお話したかったのです」とうれしい言葉をかけてくれたものの、いざカメラの話になると真剣な眼差し(右)。
愛機であるユニット交換式のカメラ「GXR」を、外付けファインダーと革のネックストラップで「武装」して、手にする姿は、今流行りの「カメラ女子」そのもの。

とはいっても肝心の講師役である私は、美味しい料理とともに杯を重ねた浦霞により、上機嫌の酔っ払いに。
お話することができたのは、写真の定石である「撮りたいモノを画面いっぱいに入れて余計なモノを入れない『引き算』が第1で、その後に『足し算』を考えて」ということ、そして「人の表情や動いているモノを撮るときは1番良い瞬間を狙って」ということぐらい。

ズームレンズ付きコンパクトカメラの「CX4」で撮った輝子さんの笑顔や、美郷さんの真剣な表情は「瞬間」。
GXRに広角レンズユニットを着けて撮った浦霞のボトルは、ビンに寄って「引き算」した後、大口径レンズならではの柔らかなボケを使って背景の輝子さんや棚に並ぶボトルを、さりげなく「足し算」した例でした。

「今度は、ひとりで店に来ます」と、おやじが伝染したようなことを言ってくれる美郷さん。
フルマラソンが3時間20分余りというフットワークもいかし、楽しい写真をたくさん撮って誌面を飾られる日も遠くないことだと期待しています。

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