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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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金沢で朝ジョグ2

昨日の朝、出張先の金沢でジョギングした際の写真を本日も引き続き、もう1回掲載します。
今回は金沢市内を流れる2本の川のうちの1本、浅野川や、川と近郊の山・卯辰山(うたつやま)の間の東山にあって、昔の町並みが保存・復元されている「ひがし茶屋街」などで撮った12枚をアップします。

尾山神社から金沢城・兼六園の周囲を反時計回りに半周した私は、その先にある浅野川を渡って、橋向こうのひがし茶屋街に向かいました。

浅野川は、金沢出身の作家・室生犀星が自らのペンネームの一文字をとった犀川と対をなす川で、市街地の南側を流れる犀川が「男川」と呼ばれるのに対して「女川」とも呼ばれています。
その名の通り、犀川より川幅が少し狭く、城下町の面影を残す町並みを縫って緩やかに蛇行する流れの景色は、やすらぎを感じさせるものです。

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大正時代に建造されて国の登録有形文化財に指定されている三段アーチ橋の浅野川大橋から川の下流側を眺めると、川面には別名が「ミヤコドリ」のユリカモメの群れが浮かんでいて、そういえば川の風情もどこか京都の鴨川を思わせます(右)。

私がかつて大学浪人をしていたころに夏休みの間、居候をさせていただいた伯母の家は、写真の中央に見える「中の橋」の少し向こうにありました。
http://marathoncameraman.blog12.fc2.com/blog-entry-743.html

ひがし茶屋街に足を伸ばして戻る途中で中の橋のたもとを通った際、積み上げられた雪が残る向こう岸の橋の下には、ホームレスの人なのか人影がポツリと見えました(左)。

浅野川大橋の方は、ジョギングしていた際に文化財などと知らなかったたことから、橋の姿は撮らず、その代わりに撮っていたのは、護岸の下部のコンクリートの斜面に張り付くように止まっていたハト(中央)。
ハトだけではなく、川岸の柵が映っていたのか川面の波紋の中に描かれていた幾何学模様にひかれたことから、シャッターを切りたくなりました。

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ひがし茶屋街は金沢が「加賀百万石」の城下町として栄えた江戸時代に「花街」としてにぎわった町で、金沢とロシアを舞台にした五木寛之の長編小説「朱鷺の墓」でヒロインが育った場所として描かれています。
卯辰山の斜面を背景にして、茶屋づくりの伝統的な木造家屋が軒を連ねる町並みは情緒たっぷり(中央)。

ただ、この町並みも、しばらく前まではこれほど見事に整備されてはおらず、伝統的家屋を保存するとともに大掛かりな修復・復元作業もなされたようです。
おかげで、町並は昔の風情を残しているというよりは、昔の町並みが唐突に出現したような感じで、なんだか映画のセットかテーマパークのようにも感じられます。
(家屋の多くは、飲食店や土産物屋などになっています。)

やはり花街の町並みが復元された京都・祇園の「花街小路通」や、昔風の商店街をイメージした町並みづくりが行われた伊勢神宮・内宮前の「おかげ横丁」も同じような雰囲気で、これを「つくった臭い」からと寂しいように感じるのはぜいたくなのかも知れませんが、どうしても多少の違和感を覚えてしまいます。
まあ、さらに時が経てば、こうした町並みも再び風情の厚みを増していくのでしょうが。
http://marathoncameraman.blog12.fc2.com/blog-entry-445.html
http://marathoncameraman.blog12.fc2.com/blog-entry-814.html

茶屋街の木造家屋は、いずれも外壁が朱色がかった茶色に塗られています。
そうした壁が木目のほか、日当たりや風雨による変色によって、刷毛模様のような濃淡をつくっているのが、なかなか美しく、しかも日が当たっている部分は見る角度によって色の鮮やかさが変わることから、最も鮮やかに見える壁の一部を切り取ってみました(左)。

また壁をカンバスにして描かれた植木の枝のシルエットも、なかなかシックでした(右)。

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茶屋づくり家屋の茶色い壁や格子はまた、植木の緑とも相性が良いようで、公衆トイレのそばの植え込みにあった半ば散りかけのサザンカや、店の前にあった立派なヤツデも、背景に茶色を配すると美しく映えて見えました(左、右)。

茶屋街の外れにある神社の前ではシルバーの方が通りを掃いてられましたが、身に着けてられたジャンパーのブルーもまた、町並みに映えていました(中央)。

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茶屋街の一角にある土産物屋のショーウインドーに飾られていた招き猫は、金箔の産地・金沢らしく金ぴか(左)。

離れたところから見ると、韓国で5年前、600年に1度の黄金の亥年に当たったことから流行した縁起物の「ファングムテジ(黄金ブタ/イノシシ)」の置物のように見えましたが、近寄ってみると、フクロウと並べられた招き猫でした。
金ぴかの置物など、普通なら華美で悪趣味に見えるようにも思いますが、様々なモノのポイントに金色を自然に配している金沢の街にあっては、これがけっこう自然に見えるから不思議です。

浅野川から茶屋街に向かう途中、通りの向いに見かけた薬局は昭和時代のような店構えで、ちょうど郵便物の集配にやってきた配達員の方がまた、いでたちといい赤いバイクといい昭和そのもののような格好で、これまた思わずシャッターを切りました(右)。

金沢城かいわいから浅野川に向かう途中では、通りに面した旅館か料亭のような建物の、瓦や白い障子と植え込みの竹が、それぞれマッチして風情がありました(中央)。

こうして伝統的な建造物や古い建物が多く残されている金沢では、新しく造られる建物などもまた、町の情緒にマッチするように洒落たデザインを施されている場合が多いようです。
そのため街全体が小京都と呼ばれるにふさわしい懐かしくかつ居心地の良い雰囲気を醸しているようです。

町全体の外観をつくるこうした工夫は、すべてが行政の指導などによる号令に従って行われているわけではないでしょうから、それが自然に行われている原動力は、住んでいる人たちの自分の町に対する愛情や誇りのようなものではないでしょうか。
そんな人々の心こそが、その土地につちかわれ、引き継がれていく文化なのだろうと、金沢の町を走り歩いてみると思えてきます。

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