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大田神社のカキツバタ

大阪・枚方市に住む両親と一緒に本日、所用で京都に出かけた私は、用事を済ませた後、上賀茂神社の近くにある大田神社に、満開のカキツバタを見に行きました。

神社のわきにある沼に咲き乱れるカキツバタの群落は実に見事で、約30年前に大学時代を京都で過ごした私は当時、京都にあまたある神社仏閣にさほど詳しくはなかったものの、ここはお気に入りの場所で、毎年のように花の時期を見計らって出かけていました。

「せっかくだから、どこか良いところに出かけよう」と両親に言われて、真っ先に思いついたのが大田神社。
携帯電話を使ってネットで検索してみたところ、例年より開花が遅れたというカキツバタは、ちょうどドンピシャで満開になったばかりだと分かり、青葉の薫る京の昼下がりに、上賀茂の地を目指しました。

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京都の盆地が北山の端にぶつかる所にある上賀茂には、新緑が輝く山の林から、初夏の薫風が吹いてきています。
そして、山のへりの沼地に広がるカキツバタの群落は、30年前と全く同じ息をのむような美しさでした。

かつて京都の社寺のなかで、私が最も好きだった上賀茂神社は、社殿などが彩色を施されていない白木のままで、山を背に広がる境内は、古代を思わせる木の香りが漂っています。
その上賀茂神社の摂社(枝社)である大田神社は、天岩戸に、お隠れになった天照大神(あまてらすおおみかみ)に出てきてもらおうとエロティックな踊りを披露したという芸能の神、天鈿女命(あめのうずめのみこと)をまつる、やはり由緒正しい社。

その境内のわきにある沼地「大田の沢」は30年前どころか、なんと平安時代からカキツバタの名所でした。
そして、2000平方メートルに2万5000株が自生するというカキツバタの群落は、京都盆地が湖だったころの植生を残す場所として、国の天然記念物に指定されています。

「神山(こうやま)や 大田の沢のかきつばた ふかきたのみは 色に見ゆらむ」
平安時代の和歌の大家、藤原俊成は、ここのカキツバタを題材にして、こんな恋の歌を詠んでいます。
「上賀茂神社の御降臨山である神山の近くにある大田神社のかきつばたに、ふかくお願いする恋(いろ)は、かきつばたの色のように一途で美しく可憐なんだろう」といった意味だそうです。

参道わきにある沼の入り口に設置された、カキツバタ群落保存のための「協力金300円」を入れるための箱にお金を入れた私たちは、その古代のままの色を楽しみました。
私は当然のことながらコンパクトカメラを手にして、無粋にもシャッターを次々に切り、写真にしたところで美しさはマイナスになるのが分かりきっているカキツバタの可憐な姿を、サイズやアングルを変えながら写し止めようと無駄な努力を重ねました。

この沼は、参道側からチョロチョロと流れ込んでいる水によって、うるおされています。
その水が冷たいからでしょうか、流れの近くの一角だけは開花の時期が遅くなっているようで(右)、群落全体の写真を撮るアングルを探すのに、少し苦労しました。

(そういえば、酒造好適米として知られる「亀の尾」は、水田のなかで冷たい水がかかる場所で実った稲から育成された品種。その冷害に強い亀の尾と「愛国」という品種を掛け合わせた「陸羽132号」という米は宮沢賢治が奨励した品種で、仙台市内でそれを復活させて栽培し、美味しいドブロクを作っている農家の方が、私の古くからの知人です。)

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カキツバタが咲き乱れる大田の沢にはトンボが何匹も飛び交っていて、その姿を狙おうとしましたが、なぜか花の上には止まってくれません。
その代わり、水辺に打たれた杭に止まったトンボに接近して、トンボの眼越しにカキツバタの色を撮影(右)。

それに先立ち、少し離れたところにあった低い杭の上に止まった別のトンボを狙った写真を後から良く見ると、トンボのそばにはトカゲが杭の上面に張り付いていました(左)。

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大田の沢の水源になっていると思われる細い流れは神社の参道沿いに続いていて、その入り口のところには、手や口を清めるための石づくりの樋がつくられていました(左)。
1000年以上もカキツバタを育み続けてきた冷たくて清らかな水は、山の端から湧き出ているようです。

平日ではありましたが、年に1度のカキツバタの季節を楽しもうという年配のファンなどが次々に大田神社を訪れていました(中央)。

大田神社の本殿もまた、上賀茂神社と同じく白木でつくった質素な感じのするもので、カヤでふかれたひさしの上には、いろいろな種類の木の苗が伸びて、木漏れ日を浴びていました(右)。

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