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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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たった8年?いやまだまだ

私は本日、人生で52回目となる誕生日を迎えました。
2年前に50の「大台」に乗った日ほどではないものの、両親や友人などから、お祝いの言葉をいただいて、「今さらそんな歳でもないだろう」と思いつつも、ありがたく、うれしい気持ちです。

「50代は60歳が迫ってくる感じではないでしょうか。迫ってきたら押し返さないといけません」
友人からメールで、そんな言葉をいただき、数えてみると、次の大台まではあと8年です。
時間の流れが加速度的に速まってきているのを実感しているだけに、迫ってくる歳を「押し返す」ことなどは、難しすぎると思いますが、それでも、ただ流れに流されているだけでは、仕方ありません。

50歳になったときに何も変わらなく感じたのと同じく、60歳になったとしても、それは大した意味を持つわけではないのでしょうが、「あとたった8年しかない」と、ただ焦っているだけでは、何かをなすことも何かを積み上げることもできないでしょうから、せめて「まだまだ8年もある」と思いつつ、自分のできることをやりながら、日々を一所懸命に生きていこうと思います。

とにもかくにも、はれて52歳になった私は本日、写真関係の所用があったことからお休みをいただいて、またまた大阪に出かけました。
出かけた先は、少年時代に通った中学・高校のある大阪市天王寺区。
実は写真関係のシゴトを私と一緒にしていただけることになった幸さんも中高の同窓生。
その懐かしの天王寺で帰りがけに撮った写真を3枚だけ掲載します。

BL121108天王寺1IMG_0534  BL121108天王寺2IMG_0527  BL121108天王寺3IMG_0538

私が訪ねた幸さんの勤務先は、天王寺動物園のある天王寺公園に隣接しています。
幸さんとの打ち合わせを終えてJR天王寺駅に向かおうとすると、公園の敷地に面した歩道わきに立てられた工事用と思われる臨時の壁にはキリンなど動物の絵が描かれ、動物園に行く時間はありませんでしたが、絵を見ながら動物の姿を思い描きました(中央)。

絵に描かれたキリンは背伸びをするように、やはり絵に描かれた木のこずえの高いところにある葉を食べようとする仕草をしていましたが、壁の上にある実際の木の葉にも届きそうに見えました。

人生50歳も過ぎると、世の中で自分に何ができるか、何ができないかが、だいたい分かるような気がして、つい背伸びをしようなどとは思わなくなってきます。
中学高校のころは、将来は無限大に見えて、自分は何にでもなれるような気がしたものですが、それでも15歳になり、20歳になっても普通の学生のままでいると「これで『早熟』と言われることはなくなった」などと、少し悔しい思いもしました。

しかし今や世の中には自分よりずっと年少の大統領も知事や市長もたくさんいて、ひるがえって自分をかえりみると、これからできることやなれるものよりも、もうできないことやなれないものの方がずっと多いことを実感するばかりです。
またその半面、何事も自分の「身の丈」に合っていることが一番なのじゃないかと思うようになり、自分にガツガツとした欲望が少なくなっていることに気づくとともに、人間として角がとれて、丸く、物分かりの良い自分になっていくことも分かります。

それでもなお、たまには少し背伸びもして、これまでやってこられなかった新しいことに挑戦し続けることは、大事なのだと思います。

自分ができること、自分にしかできないことが何なのかが、若いころよりも良く分かってきているからこそ、少しの努力が小さくても実を結ぶ可能性は高まっているようにも思いますし、前を向いて、その日その日を歩き・走り続けることこそが、つまるところ「生きることそのもの」であるらしいことも分かってきているわけですから。

天王寺駅の方を見ると、背伸びをするキリンどころか、天をつくような高層ビルが建設中でした(左)。
東京に長らく住んでいたころ、地方に行くたびに感じたのは、東京では次々に新しいビルが建って、街のすみずみまでピカピカになっていくのに比べて、東京以外の街では建物も道路も旧態依然としている場所が多く、建物やインフラの整備に投下される資金は圧倒的に東京ばかりに向けられているということでした。

その感じは、ターミナルの駅前に新しいビルが林立するようになった大阪に来てもぬぐえず、特に再開発地区以外の場所の風景は、何10年たっても、さほど変わらないところが少なくありません。
それは中高時代に歩いていた天王寺も同じで、駅や商店街、それに私が通った学校の建物も、平成時代が既に20年以上もたっていることを感じさせないほど昔ながらのたたずまいを残しています。

そんな天王寺にあって、周囲の風景と不釣り合いなほど背の高いビルは書き割りの絵のように唐突な感じで、断然目をひきます。
東京の中でも旧来の町並みが多く残る「下町」に突然そびえ立った東京スカイツリーと似た感じがします。

それもそのはず、オフィスのほかにホテルや百貨店も入る複合ビルとして2014年春に竣工するというこの「あべのハルカス」は完成時に60階建て、地上300メートルの高さとなり、296メートルの横浜ランドマークタワーを抜いて日本最高のビルになるのだそうです。

天王寺駅からはJR環状線の内回り電車に乗って、次の寺田町駅の手前にある母校の中学・高校を車窓から眺めることにしました。
打ち合わせで会った幸さんから、私たちの2年後輩で先だってノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の栄誉をたたえる垂れ幕が校舎にかかっていると聞いたからですが、夕暮れどきだったためか、幕を見ることはできませんでした。

しかし、昔ながらの駅舎が残る寺田町駅では、下校途中の中学生らが電車に乗り込んでくるところで、30年以上前にタイムスリップしたような風景を、ほんの一瞬ホームに降りて撮影しました(右)。

そばに乗ってきた男子中学生が着ていた詰めえりの紺の制服は、私が着ていたものとほぼ同じ。

「F中の生徒でしょ?」
「はい、そうです」

「同窓生なんですよ。山中先生の2年先輩」
「へーえ、そうなんですか?でも、もう知ってる先生、おられませんよね」
「高校なら、同級生が1人、先生しているんだけどね」

男の子が肩から掛けていた制カバンは、私が使っていたカバンと同じく「たすき掛け」ができるものでしたが、2回りほども大きく、「中学生の持ち物も増えたのかな」と思わせました。
しかしドアの窓から、30年以上も前とさほど変わらないような夕暮れの街の景色が流れていくのを見ながらキラキラとした目の男の子と言葉を交わしていると、再びタイムスリップしていくような感じを覚えました。

私が次の大台を迎える8年後、この中学生は社会人になるかならないかという時期を迎えます。
高校、大学時代を経て彼がその間に学ぶ知識の量、そして人生の糧とするために積む経験の重さは計り知れないほどになるのでしょう。
それを思うと「人生なんて、こんなもの」「何事も身の丈に合うのが一番」とばかり悟ったような顔で口にして、それを自分がもはや「成長」できないことの言い訳にすることは、できるだけ控えたいものです。

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