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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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コンパクトな愛機3台

このところ日々の撮影で使っているコンパクトカメラの愛機3台を紹介します。

デジタルカメラの性能や画質は今も日進月歩で、複数のカメラを使ってみると、まさに「帯に短したすきに長し」で、それぞれに一長一短があるものです。しかもそれらはカタログやネット情報だけではある程度以上、予想することができず、実際に使いこんでみて初めて分かる部分も少なくありません。
というわけで、事前に吟味に吟味を重ねたうえで、どうしても使ってみたい機種だけを選ぶようにしていても、普段使いのカメラが複数、手元にあるということになってしまいます。

紹介する3台は、このところ最も多く使ってきたパナソニックの「DMC-LX7」、それより小型軽量のためロードバイクで通勤する際などに持っている富士フイルムの「XQ1」、そして韓国・コチャンへの旅行に備えて入手した大柄ながらも高倍率ズームレンズ付きで万能なオリンパスの「STYLUS(スタイラス)1」-で、いずれもコンパクトカメラとしては大きめのセンサーを使って画質を重視した、いわゆる「高級コンパクトカメラ」です。

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私は以前、マラソンを走りながら撮る際のコンパクトカメラとして高倍率ズームが付いたリコーのRシリーズや、その後継となったCXシリーズを愛用していました。
その最新機だったCX6は、2.3分の1(インチ)という普及タイプで、コンパクトカメラに定番の小型センサーを搭載しながら、35ミリフィルム用のカメラのレンズに換算して28ミリから300ミリという高倍率が付き、広角から望遠まで接写(マクロ)撮影ができるほか、俊敏なレスポンスも特徴の名機でした。

しかし、センサーの小ささやレンズの暗さ(口径の小ささ)から暗いところに弱いほか、望遠側の描写が甘く、露出やホワイトバランス(白いものを白く写すようにするカラーのバランス調整)がやや不安定で、故障もしやすいといった弱点もありました。しかも、ペンタックスを吸収したリコーがその後、一般向けコンパクトカメラの製造をやめてしまい、他社の製品に比べてCX6が見劣りする部分も増えてきたことから、これを使い続けることは、いったんあきらめました。

そこで、走って撮るためにこのところ使ってみているのは、リコーと同じく自社のギャラリーで私の写真展を開かせてもらったオリンパスのXZ-10です。このカメラはCX6と同様に2.3分の1センサーを使い、バッテリーも共用できますが、ズームレンズの倍率を控えめにする一方で(26ミリから120ミリ)レンズはずっと明るく、暗いところの撮影にも少し強くなっていました。
しかし、マクロ撮影にはさほど強くなく、肝心の画質は色の彩度(鮮やかさ・濃さ)が高すぎるうえ、輪郭を強調するデジタル処理が強いためか、出てくる写真は線が太くのっぺりした、油絵のような感じが多少して、及第点をつけることはできるものの、決定打にはなり得ていません。

ここ数年でいえば、そのほかにセンサーサイズが少し大きめの1.7分の1のものを使ったキャノンのS100や、もっと大きい1インチのセンサーを使ったソニーのRX100もトライしましたが、いずれも日常用にもマラソン用にもなり得ていません。

S100はメーカーの力があってか雑誌などでの評価は高いのですが、望遠側が暗くて使いづらく、色味も黄色っぽく偏る(転ぶ)ことが多いうえ、日中にストロボを使う「日中シンクロ」をする際の反応時間(シャッターラグ)が絶望的に大きく、日中シンクロを多用するマラソンでは全く使い物にならないうえ、普段のスナップでもシャッターチャンスを外しまくってしまいます。
RX100はS100以上に評価が高く、コンパクトカメラの決定版のようにすら言われましたが、せっかく大きなセンサーを使っているのに画素数を欲張りすぎているためか画質はさほどでもなく、彩度・濃度が高いためか、さほどスッキリした写真が撮れるわけでもありません。しかも望遠側は暗く、マクロ撮影は全然ダメで、レスポンスも悪ければ使用感もイマイチで、これもまたマラソンにも日常用にも使えませんでした。

※※※

前置きが長くなりましたが、RX100のかげになって目立たなくなり、値段も手ごろになっていたことから入手したパナソニックのLX7は、マラソンには少し大きすぎるものの、日常的なスナップには万能に近い働きをしてくれています。

このカメラのセンサーは少し大きめの1.7分の1のセンサーを使っていながら画素数を欲張らず(有効1000万画素)、24ミリから90ミリという控えめなズーム倍率ながら超広角域もカバーしているうえ、なんといってもレンズが抜群に明るくなっています(センサーサイズと口径の比率であるF値が1対1.4~2.3)。そのため暗い室内でも感度を上げたりシャッタースピードを落としたりして画質を落とすことなくスナップを楽しめ、子どもの写真を撮るにはうってつけなのです。
しかも発色はやや薄めなもののナチュラルで、写真は線が細い感じの繊細な描写と、空気がクリアに写るようなヌケの良さを楽しめて、センサーが4分の3インチのミラーレス一眼やさらに大きいAPS-Cサイズの一眼レフに、普及タイプのレンズをつけたときよりも良く写るほどです。

さらには2、3年前に使っていたパナソニック製のミラーレス一眼カメラ、GX1の外付け電子ファインダーを装着できるのもありがたいところで、明るい屋外で液晶モニターが見づらいときやローアングルで撮影したいときなどには、このファインダーが活躍します。あえて難を言うとしても、マクロ撮影がやや弱いのと、明暗の差が大きい部分に青い縁取りができる「シアンフリンジ」や白い壁などが青っぽく色づく「シアンかぶり」が時々出るところぐらいです。

※※※

次に富士フイルムのXQ1は、LX7が少し大きめ・重めであることから、ロードバイクやランニングの練習の際やシャツやズボンのポケットにカメラを入れたいとき用に入手しました。またマラソン用にも使えればとも思っています。

このカメラのセンサーは3分の2と、1.7分の1よりも大きく、しかもLX7同様に画素数を欲張っていないことから(1200、万画素)暗いところなどで描写に余裕があります。また、縞縞や網目などのパターンがある被写体に、実際にはない模様や色が出る「モアレ」を防止するための「ローパスフィルター」を省略することに成功していて、スッキリとキレのある描写をします。また起動やフォーカス、シャッターなどの動作が俊敏でスナップ向きです。

弱点は望遠側が暗いこととマクロ撮影が不得手なこと、そして人の肌などの色が不自然に濃くなりがちなことです。
写真というものはレンズの焦点距離や絞りによって被写体がゆがんだりボケたりして、そもそもが真実とは異なるものですが、それにしても肌の色が不自然なのは見ていて気持ちの良くないものです。

デジタル画像というものは赤などの原色が実際より彩度が高く派手になりがちですが、この富士フィルムを筆頭とする多くのメーカーは、「肌の色が健康そうに見える」方が受けが良いからという理由で、「記憶色」などといういい加減な言葉を使いつつ、わざと肌が赤っぽくなるように設定しているというのですが、こればかりはいただけません。これを自然に見えるように修正するには、いちいち編集ソフトで色味や彩度などの調整が必要になって、イライラすることもあります。

※※※

そして最後にオリンパスのスタイラス1です。このカメラもLX7と同じ1.7分の1のセンサーを使っていますが、望遠側では非常に明るいF2.8通しで、28ミリから300ミリというCX6同様の高倍率ズームを搭載していて、大きさはコンパクトというにはギリギリのものですが、そのスペックからすれば驚異的な小ささです。
しかもミラーレスなどの一眼カメラとしても優秀なくらいの良く見えるファインダーを装備しているうえ、液晶モニターは上下に角度が変わってファインダーを使わないままローアングルやハイアンアングルで構えることもできます。
シャッタースピードや絞り、それにフォーカスなどを手動で合わせるためのダイヤルやボタンも充実していて、操作性に関しては、ほぼストレスなく使える優秀さです。
またマクロ撮影も、CX6同様に遠くから狙う望遠マクロも使えて満足度が高く、スペック・機能ともにてんこ盛りです。

これでLX7ぐらいの高画質であれば、少し大きいことに目をつぶる限り、旅行などにもってこいの、ほぼ万能選手になり得るのですが、その画質は目を見張り、胸に飛び込むほどのものではありません。
線と線を分離する解像力は十分ですし、望遠側で撮った写真も甘いところはなく、コンパクトカメラとしては及第点なのですが、同じオリンパスのXZ-10と似て、なんだか線が太くて立体感に欠けがちな油絵っぽい写真になるうえ、色も彩度が高いわりに濁り気味になるように感じます。

とはいっても、これだけ便利なカメラはデジタルの時代だからこそ出現したともいえ、センサーのサイズもカメラの仕組みもアナログ時代を引きずり続けている大きくて重たい一眼レフに比べると、こちらの方がフットワークがきいて良い写真が撮れる能力は、ずっと高いようにも思います。

※※※

そんなわけで、写真はフットワークや出会い、何を伝えたいのかという自分の感覚や意志こそ大事で、カメラはしょせん道具だ-と思いながら、より自分の手になじみ、思いを伝えてくれる道具になるカメラを求めて、少しずつではありますが、コレクションが増えてしまうのです。
時代とともに深まっていくデジタルカメラの沼から抜け出すことは、なかなかできそうにありません。

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