FC2ブログ
“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

最新トラックバック

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月別アーカイブ

FC2カウンター

全記事表示リンク

仙台で至高どぶろく

本日から3日間の休みをいただき、宮城と福島への旅行に出かけてきました。
東北地方の中心である宮城の仙台は、私が入社して4年目からの2年間の地方勤務の記者時代に住んでいた場所で、今回はそのころに取材で知り合って長年、年賀状のやり取りは続けているものの、お会いする機会がなかったり少なかったりした人たちを訪ねる旅となりました。

B170520仙台行き1IMG_5959  B170520仙台行き2IMG_5967  B170520仙台行き3IMG_5970

今回の旅行には家族にも付き合ってもらいましたが、大阪から東京経由で新幹線に乗るのは長い時間と乗り換えの手間がかかるうえ、運賃・料金もかなりの額になることもあって、関西空港から仙台行きの格安航空会社・ピーチアビエーションの便を初めて使ってみることにしました。
とはいえ、ピーチの便は関空のメインターミナルから離れた第2ターミナルでタラップを上って搭乗するうえ座席も狭く、早朝と午後の便しかなかったため夕方に到着することとなりましたが、それでも空の旅は韓国に行くのとほぼ同じ1時間余りで、飛行機の便利さを実感することになりました。

仙台空港でレンタカーを借りて向かったのは、仙台市の郊外で田んぼを作ってられる稲作農家の重利さんのお宅。
かつて宮沢賢治が冷害に強い品種として東北各地での栽培を勧めていたという品種「陸羽132号」を復活させた重利さんは、その赤っぽく色づき、稲穂が大きく垂れる132号の米を使ってひそかにドブロクも醸してられて、当時いただいたドブロクは忘れられないほどの美味しさでした。

重利さんはその後、陸羽132号から生まれた新しい品種や、「亀の尾」「龍錦」といった、やはりいにしえの酒造好適米の栽培も試みて、稲作とドブロクをテーマにした詩集も出版。
何年も前に、その本を贈っていただいてから、また重利さんのドブロクを飲んでみたいという思いが膨らんでいたのです。

今回の旅行前、20年以上ぶりにお電話した重利さんに、のっけから「ドブロクありますか?」とぶしつけな質問をした私に対し、「まだ少しだけ残っていますよ。ゆっくり来てください」と口調こそ昔のままに無愛想ながら、やさしく言ってくださった彼は、震災後に建て替えたという家の座敷に落ち着いた私に、さっそく新品種と龍錦で醸したドブロクの一升瓶を両手に提げて差し出してくれました。

そのドブロクの美味しさといったら、この世のものとは思えないほど。
私自身も大のドブロク好きで、自宅で作ってみたこともあるとはいえ、しょせん清酒を造る前段のお酒くらいに思っていましたが、実は全く別のお酒で、しかも美味しく醸したドブロクは、その複雑で深い味わいも圧倒的な香りも、清酒以上なのだということを思い知ることになりました。

当時、「宮沢賢治の米を復活」などという見出しで、刈り取ったばかりの陸羽132号を抱えて満面の笑みをたたえる重利さんの写真をつけて配信した私の記事は全国の新聞で大きく掲載されました。
それ以来、岩手の「賢治記念館」や賢治の研究者から数多くの問い合わせを受けて、何年もの間、講演や執筆活動に忙殺されたという重利さんは、喜んでくれていたと思いきや「えらい目に遭った」と何度も私を責めました。しかし、その目が笑っているのを見ながら安心して美味しいドブロクの杯を重ねた私は、「気を付けて飲んでくださいよ」という助言も空しく、ついにダウンを喫し、旅行の初っ端から失態をさらすことになりました。

スポンサーサイト