FC2ブログ
“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

最新トラックバック

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

FC2カウンター

全記事表示リンク

森のチェンバロ工房

3日間の休みをいただいて、かつて赴任していた宮城県と隣の福島県を家族で旅行した私は本日、再び空路で帰阪しましたが、昨夜と今朝も、取材で知り合って年賀状のやりとりを続けている方の家を訪ねました。

今回の旅行で訪ねた3軒目は、蔵王の麓、宮城県川崎町の森の中で、バロック音楽で広く使われた鍵盤楽器・チェンバロを製作する工房を営まれている雅雄さんのお宅です。
雅雄さんは、国内でチェンバロを製作する数えるほどしかない工房の1つを長年営まれていますが、私が仙台支社に勤務していた時代に訪れて取材させてもらった目的はチェンバロに関するものではなく、当時伐採の危機にあった緑豊かなブナ林の保護を、地元に住む彼が訴えていたからです。

そのときは、蔵王連峰の雁戸山(がんどさん)にあって、雅雄さんが「雁戸太郎」と名付けたブナの大木を彼と一緒に撮った写真を付けて新聞用の記事を配信しましたが、私の記憶に良く残っているのは、記事そのものよりも彼と一緒に山歩きをしながら撮ったブナ林や、イワウチワなど春の山の花々の写真のことや、取材の際やその後に何度も一緒にいただいたお酒のことばかりです。
そう、こうして振り返ると私はどうやら取材相手とお酒をいただくのが楽しくて仕事をしてきたようなものです。

BL170521木村邸1IMG_6111  BL170521木村邸2IMG_6114  BL170521木村邸3IMG_6109

BL170522木村邸4IMG_6138  BL170522木村邸5IMG_6146  BL170522木村邸6IMG_6140

標高400メートルを超える別荘地の最奧の、山に飲み込まれそうな場所にある山小屋のような雅雄さんのお宅は、30年近くぶりに訪ねたというのに、当時の記憶のままに建っていて、戸口に出てこられた雅雄さんの相手を包み込むような優しい笑顔も昔のままでした。

実は今回の旅行に先立ち、フェイスブックで雅雄さんと連絡を取ったところ「お料理の上手な連れ合いが海外旅行に行ってしまうころですが、どうぞお出掛けください」という返事をいただき、ご迷惑にならないかと思って少し躊躇しましたが、それに続く「一献差し上げたいです、お待ちしています!」の言葉に引かれて、お邪魔することにしました。
宿泊は近くの青根温泉で部屋を取りましたが、地元の名士といえる雅雄さんの声かけで、老舗の旅館が夕食抜きで割安の料金で泊まらせてくれたうえ、お酒をいただくのを前提に旅館からマイクロバスでの送り迎えもしてもらえました。

仙台時代、青根温泉で地元の人たちが集まり、「ドブロク名人」が醸した美味しいドブロクをあおりながら雪景色を楽しむ「雪見酒」という集まりに、雅雄さんに誘われて参加した覚えがありますが、今回は宮城産のキリリとした純米酒の一升瓶が、ダイニングの小ぶりでアンティークなテーブルの上にドンと置かれていました。
リビングの棚にズラリと並んだソバちょくを見て思い出したのは以前、雅雄さんが言われていた「日本酒には、この大きさが一番なんだよ」という言葉。全く同感だった私はその後、自分も気に入ったソバちょくを見ると買い込んで、大好きな日本酒を飲むのに使っていたものでした。

そのころは雅雄さんも私も、グイグイと日本酒を飲んでいたようですが、残念ながら2人とも年をとってしまって、今回は日本酒を小ぶりなグラスでいただくことになりました。
といいますか、そうでなくても前夜に訪ねた仙台の重利さんのお宅で、いきなりガンガンとドブロクをいただき、ダウンしたことから、今夜こそは無理のないペースで飲もうと思っていました。

「いらしてから考えようと思って食事、何も用意してないんだよ」と、いきなり雅雄さんに言われたときには少し心配しましたが、何のことはない、奥さまが用意していかれた美味しいタマネギのマリネやカブラの浅漬け、地元の「そば打ち名人」から届けてもらった歯ごたえも香りも良いそば、それに仙台名物の笹かまぼこなど、お酒にぴったりの料理が次々に出てきて、大満足でした。

子どもたちも、ご飯のほか牛乳やジュースを好きなだけ、おかわりさせてもらい、隣のリビングに置かれたチェンバロも触り放題にさせてもらって終始ご機嫌。
雅雄さんは、何度も乾杯に付き合ってくれる1歳の娘に相好を崩されっぱなしで、「めんこいなあ」を連発してくれました。

そんなふうに森の中の楽しい宴の時間は過ぎていったのですが、昨夜は気がつくと雅雄さんの方がテーブルに突っ伏して舟をこがれていて、こちらで後片付けをして今朝、再びあいさつに来ることになりました。
そういえば昔も、楽しくお酒を飲んだ雅雄さんはいつもウトウトされていて、温泉を引いた大きな湯船に横になり、真っ赤になってられた姿が思い出されます。

20年以上ぶりに子ども連れで、お酒を飲みに来た私は、前夜の重利さんご夫妻にとっても雅雄さんにとっても、とんだ迷惑な珍客だったようですが、まあ2夜続けて片方がダウンするまで飲めたということで、私自身にとっては何とも幸せな時間を過ごさせていただいたと思っています。
スポンサーサイト



コメント


管理者にだけ表示を許可する