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“走るマラソンカメラマン”辰巳郁雄写真展 走った!撮った!世界のマラソン

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新宿で兄の芝居

一昨日、東京に行っていた際のネタを、もう1つアップします。それは新宿で観た兄(辰巳琢郎)の芝居です。

この日は私の写真展のリバイバル展示をしてくれている江東区の深川スポーツセンター、そして来月に私のミニ写真展を開いてくれる銀座のリコーフォトギャラリーRING CUBEを回ったあと新宿で観劇。
その後、夜行のバスで名古屋への帰途についたわけです。

その芝居は、イギリスの作家サイモン・グレイによる会話劇の「サイモン・ヘンチの予期せぬ一日」。
35年前にロンドンで初上演された作品で、今回は「古川オフィス第11回公演」として水谷龍二氏が演出。
兄が主役なのですが、演技派のベテラン俳優らがわきをがっちり固めてくれています。

場面が変わらないまま約2時間にわたって延々と台詞が続くという地味な芝居ですが、考えさせられることの多い内容で、演出にも演技にも破綻がなく、意外なほど楽しめる舞台になっていました。

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劇場で撮影した写真は、芝居を見終わってから楽屋を訪ねた際に兄と撮ったツーショットだけ(中央)。
あとの2枚は、会場でいただいたパンフレットを撮影したもので、お茶を濁します(左、右)。

芝居のストーリーはネットでも調べられますが、おおよそ次のような具合です。

編集者である主人公が、教師をしている妻の出張中に独り自宅で、新調したワーグナーのレコードを聞こうとしたところ、ひっきりなしに訪問者が続いて、なかなか独りになれません。
主人公の家に間借りしている世間知らずの男子学生、酒癖の悪い友人の文化記者、そのガールフレンドで主人公も誘惑する女子学生、副校長への昇進試験の面接がうまくいかずイライラする兄、兄の同級生でありフィアンセを主人公に寝取られたという男、そして最後に、帰宅して教え子との浮気を告白する妻-。

何が起きても動じずに、柔和な物腰を崩さない主人公は、妻に浮気されても現在の生活を保とうとしますが、最後には妻から妊娠していると(しかも「誰の子なのかが問題なのよ」と)告げられます。

一流大学や寄宿制学校、出版界といったイギリスの知識層の伝統が、反抗的な若者やフリーセックスなどの新しい波に揺り動かされるといった1970年代の雰囲気が、舞台からは伝わってきます。
しかし世代の違う者同士や、兄弟、友人、男女間の関係における様々な問題は、時代も国境も越えて普遍的なもののようで、根本的なところで古さも違和感も感じないのは、名作である証拠なのでしょう。
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