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空に届く光のタワー

名古屋を舞台に開催されている現代アートの祭典、「あいちトリエンナーレ2010」の目玉作品の1つである巨大な「光のタワー」が今夜、名古屋城の上空に出現しました。

この作品は「spectra[nagoya](スペクトラナゴヤ)」。
岐阜県出身でパリに在住の電子音楽の作曲家で美術作家の池田亮司さんが手がけた作品で、名古屋城の天守閣に近い広場に64台のサーチライトを縦横に並べ、10台のスピーカーから電子音を流して、光と音を組み合わせてつくった「インスタレーション(空間芸術作品)」です。

私は本日、仕事を兼ねて名古屋城を訪れ、この作品を間近で見る機会に恵まれました。
実は昼には名古屋市の中心街に出現している「巨大なバランスボール」のような世界最大のプラネタリウム(建設中)の投影試験も見てきたのですが、こちらは限定公開ですので、ここで紹介することができません。
そこで、私にとっての2大イベントのうち、一般公開された光のタワーのみ紹介いたします。

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新聞用の写真であれば光のタワーの下から空まで、名古屋城、見ている人を1枚に収めるべきで、それには超広角レンズが必要です。
しかし、映像の撮影のため現場に行った私は、いつも通りコンパクトカメラを持っているだけ。
映像のカットよろしく3枚の「組写真」によって、なんとか作品の様子をお伝えすることでお茶を濁します。

花火の大筒のように真上に向けられたサーチライトの光は真っ白で、成層圏まで届くという強力なもの。
ライトアップされた名古屋城も見える会場の広場では、縦横8列ずつに並んだライトの間を歩くこともできて、見物に来た人たちはライトのすぐそばから頭上を見上げていました(中央)。

「下から見ると、光を発しているというより、光が空から降り注ぐ感じに見えるそうです」
トリエンナーレのスタッフから事前に聞いていたとおり、自分もライトの間に行って空を見上げてみたところ、上空の遠くで光が1カ所に集まり、そこから光の筋が傘のように落ちてくる感じがしました(左)。

近くから見ると「光のツリー」のように見える作品ですが、遠くから見ると確かに「光のタワー」です(右)。
てっぺんの光の玉のように輝いたところは、雲が厚くなっている部分のようでした。
実は昨日も、この作品の「試験点灯」が行われましたが、私の自宅近くからは、うっすらとしか見えず、今日と明日の「本番」がどうなるのか、少し心配でした。

作品の光が、くっきりと見えるかどうかは、空気中の浮遊物が多いかどうかにかかっているとされます。
スタッフは「小雨ぐらいがちょうど良い」と話していましたが、撮影する者にとって雨はめんどうです。
そしてふたを開けてみると、直前までの小雨が上がって少しもやっているという最高のコンディション。
作家やスタッフ、それに見物する私たちの願いが、まさに「天に届いた」ともいえる幸運でした。

そうそう、「光と音を組み合わてつくった作品」と言っても写真だけでは音を聞いていただくことはできません。
ご興味のある方は、私が撮影したネット動画ニュースで、音も合わせた現場の雰囲気をお楽しみください。
http://www.47news.jp/movie/general_topics/post_1107/

そうそうそう、巨大ボールのプラネタリウム内部も、光が少なすぎて画面が暗めですが、ご覧いただけます。
http://www.47news.jp/movie/general_topics/post_1100/

トリエンナーレの街は

3年に1度の開催を目指す現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2010」の会場・作品の様子を、昨日まで2回にわたって紹介しましたが、もう1回「番外編」として内部の撮影が不可だった会場の外側や周辺の街の様子を紹介いたします。
本日紹介する写真は20日に撮影したものですから、既に2日遅れとなりますが、ご勘弁を。

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この日にまず向かったのは、前日訪れた「愛知芸術文化センター」と並ぶ大型会場の「名古屋市美術館」。
名古屋の浅草寺ともいうべき「大須観音」前の地下鉄駅から観音さんに寄り美術館に向かおうとしたところ、一見、現代アート作品とみまがう壊れて真っ黒にすすけた自転車が歩道脇にあるのが目に止まりました。
ここは老舗に見えるウナギ料理屋さんの店の横で、すすは大きな金属製の排気口から吹き出す煙によって自転車のフレームにこびりついたもののようでした。しかし、なぜ?

美術館は昨日お伝えした通り館内の撮影が一切禁止。
仕方なく、入り口近くに設置されていたインスタレーション(空間芸術)作品を撮影しました(中の左)。
コンクリートの梁からぶら下がっている赤いものは、写真をご覧になってもなんだか分からないでしょう。
それもそのはず、これはハンモックなのですが、閉じてしまっているため網の部分が見えないのです。
地面近くにぶら下がったハンモックもありましたので、「寝そべっちゃ、だめなんでしょうか」と係の人に聞いてみましたが、「寝てもらうことはできないことになっています」との答え。
危ないからということなのでしょうが、遊び心のない芸術は、なんだか寂しいものです。
「それなら代わりに人形でも乗せておけばよいものを」と思ってしまいました。

「作品の撮影が可能かどうかは、基本的に作者の意向に沿っているはず」
「あいちトリエンナーレは撮影可能な作品が非常に多いと思うのですが」
芸術文化センターの幹部スタッフはこんな説明をしてくれましたが、美術館の「一律NG」というのは、どうやら規制や管理の手を抜きたい美術館の意向が強く働いた「決まり」ではないかと、ハンモックの一件もあって、そう思えましたが、いかがなんでしょうか。

美術館から長者町会場に向かう途中、通りに面したガレージを使った作品がありました(中の右)。
モノをくくりつけてマンホールに垂らしたロープが上下するなど、ガレージはからくり屋敷のようです。
見物する人が驚かされるのは、入り口のシャッターも突然ガラガラと大きな音をたてて開閉すること。
若い女性が黄色い悲鳴を上げるほどで、「おもしろ怖い」この作品は、オバケ屋敷のようでもありました。

そしてガレージの前から見上げる特大バランスボールのような球体は建設中の世界一のプラネタリウム。
うーん、何度見てもこの球体の現代アートぶりは、トリエンナーレの作品に勝るとも劣りません。びっくり!

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昨日紹介した長者町会場を見た後に行ったのは、名古屋市内を南北に流れる堀川の河岸近くに設けられた「納屋橋会場」。
以前の記事で、ドブ川然として岸辺がヤブに覆われた堀川を、「親水公園のように整備してはどうか」などと苦言を申し上げましたが、私はちょっと勉強不足でした。
といいますのも、まさにこの「納屋橋」付近は、わずかな距離ではありますが川に沿って遊歩道や飲食店が整備された場所で、新しいお洒落スポットとして人気が出てきているエリアだったのです。

納屋橋の上から川を見ると、川辺に降りられるような工夫はなされていないものの、河岸の遊歩道やテラス付きのレストランもできていて、トリエンナーレの会場はその向こうに見えました(中央)。
レストランの裏から対岸を見ると、古風な建物の日本料理店の裏側の窓に簾が並べてつるされ、この風景もまたちょっとアート的でした(左)。

納屋橋会場の内部も基本的に撮影禁止。
でも、あちこちで写真を撮りまくったあとでしたので、かえってありがたいようにも感じました。
2日にわたりトリエンナーレ会場を歩き回った疲れが出て、映像作品の会場ではウトウトしてしまいました。
そして外に出るともう日暮れ。
納屋橋のたもとでは、ハワイアン・レストランの前で裸足の魅惑的な女性らがフラダンスを披露していました(右)。

ライトアップされた橋をバックにしたダンスも一見、トリエンナーレの関連イベントのようです。
そういえば、現代アートの祭典ではダンスなどのパフォーマンスも「つきもの」なのですが、これまでのところ観賞する機会を得ていません。
行き当たりばったりのそぞろ歩きばかりではなく、今度はスケジュールをチェックしてパフォーマンスの作品も体験してみたいものだと思っています。

名古屋で現代アートの秋2

本日も昨日に続き、1日遅れで「あいちトリエンナーレ2010」の会場を訪れた際の様子を紹介します。
昨日訪れた会場は、一昨日に訪れた栄地区の会場を除く主要会場である①名古屋市美術館②長者町会場③納屋橋会場-の3カ所ですが、そのうち①と③は写真撮影が不可だったため、紹介するのは②の長者町会場の様子だけです。

この会場は今月7日の記事でも紹介した通り、かつて日本有数の繊維問屋街として栄えた「長者町繊維街」の再生も願ってトリエンナーレの舞台とされたところ。
空きビルを利用した会場の多くにエアコンが付いていなかったことから、前回は暑くてゆっくりと時間を費やせませんでしたが、今回は少し涼しくなったこともあって、じっくりと見物することができました。

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「これもアートのようなものだ」とトリエンナーレの関係者も話す「長者町繊維街」の大看板の写真は7日にも夕方に撮ったものを掲載していますが、もう一度紹介いたします(左)。
このエリアの主要な展示施設が幾つか集まる付近から南側を見ると、緩やかな下り坂になっていることから、ご覧のように大看板が幾つも並ぶ様子が撮影できたためです。
通りを人が渡る場面も見えたのですが、こちらも通りのど真ん中で車が途切れる瞬間を狙って撮るものですから、結局のところ車ばかりが写った少し寂しい写真になりました。

この大看板が並ぶ様をあしらった巨大ポスターのような作品も前回紹介しましたが、そのときに撮影したのは室内に掲げた比較的小さなもので、今回は駐車場に掲げたさらに巨大な作品をお見せします(右)。

実はここに登場する人たちの多くは、架空の人や歴史上の人物ではなく、今も長者町繊維街にいらっしゃる「長老」だということで、その長老たちのインタビュー映像を見せる作品も展示施設の中にありました(中央)。
この作品の部屋には、「ポスター」の下敷きになったとみられる昔の写真も展示されていて、往時の長者町がしのばれました。

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長者町会場には、音に反応して動くオブジェを展示した施設もありました。
音楽などを鳴らすと、それに反応してクネクネと動く花のおもちゃを縁日などで見かけます。
ここのオブジェも仕組みは同じように見えましたが、モノはずっと大きくて、デザインも当然アート的。
そのうちの1つはオレンジの丸い要の部分から自転車のスポークのように伸びた糸が、見物する人の拍手やかけ声に反応して一斉にしなり、美しい模様を描いていました(中央)。

チケットなしでオープンになっている作品もあって、その1つはビデオを映すモニターの横に巨大な招き猫の首のレリーフが据えられていました(右)。

ショーウインドー越しに中が見える展示施設を通りの向かい側から眺めていると、かわいらしくコスプレ風に着飾った女の子2人が横切りました(左)。
現代アートに彩られた街の中で、アートに伝染してポップになっていく人も増えているような気がします。

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「図鑑切り抜き魔」と呼びたくなる愛知県の作家・渡辺英司さんの作品は7日、昨日と続けて紹介しましたが、地元の作家さんということで敬意を表する意味も含めて三度登場していただきます。
7日にも紹介した通り、この作品の会場は長者町の通りに面した4階建ての古い空きビル。
その2階では、壁や天井に、図鑑から切り抜いた蝶々が、気持ち悪いくらいびっしりと貼られています(左)。

前回は気付きませんでしたが、ここにも蝶の写真や絵を切り抜かれた無残な姿の図鑑が展示されていました(右)。

別の階で見て、さらに驚いたオブジェは、月や太陽などがことごとく切り抜かれたミニ万国旗(中央)。
丸い紙片は、何本もつるしたミニ万国旗の下に置かれた箱に入れてありました。

現代アートの作品というのは、作家が真剣に努力すればするほどユーモラスな味をかもすものが少なくないように思えてきました。

さて、「3年に1度」開催するという意味が名前に込められている「トリエンナーレ」。
3年後に再び開催できるかどうかは、初回に成功をおさめることができるかどうかで決まるはずです。
ようやく涼しくなり来場者も増えてきていると聞きますが、この斬新・奇抜な現代アート作品ずくしの芸術祭がどれだけ名古屋市民に浸透し、受け入れられているのか、いろんな人に聞いてみたくなってきました。

名古屋で現代アートの秋1

今月7日の記事でも紹介した現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2010」の会場を昨日、本日と2日間にわたって見て回りましたので、その様子を1日遅れで2日続けて掲載いたします。

せっかく猛暑が去ったというのに再び引き込んだカゼは体から去らず、トレーニングの再開は見合わせ。
トリエンナーレのフリーパスは少し使っただけで展示全体の1割も見ていないまま。
そこで連休を利用し、ウオーキングを兼ねて見ていない会場をめぐり、アートの秋を楽しむことにしたのです。

トリエンナーレの会場は7日に訪れた長者町繊維街のエリアのほかにも何カ所かあり、そのうち昨日訪れたのは名古屋中心街の栄エリアにある「愛知芸術文化センター」と、その隣の複合施設「オアシス21」です。

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芸術文化センターで、いやおそらくトリエンナーレでも最も大きな作品は、建物の吹き抜けなどを縦横に使い設置された巨大なバルーンの「インスタレーション」(オブジェなどによる空間芸術)(中央)。
日常の空間を突きくずし、見る人に「何これ?」と思わせることが現代アート作品に共通する要素のようです。
この特大作品は全く「何これ?」で、巨大なキュウリのようにもヘチマのようにも地球外生物のようにも見え、たしかに別世界を感じさせてくれて、何だか気持ち悪くもあり気持良くもありました。

センターの中でも、ほかの会場でも、室内で映像を見せるアート作品も多く「展示」されています。
見る人の時間を拘束する映像の作品は、一定の時間にわたり見てもらわないと「成立」しないともいえますがアートというものがそもそも「ひとりよがり」であることもあり、「かったるい」と感じて、見る気がしなくなるものも少なくありません。
そんな中で「おもしろい」と感じた作品の一つが見ている人の体にも映像が投影され、その影も映像と一体化するという工夫を凝らした作品でした(左)。

ビルが建ち並び、増殖を続ける都市の姿が通路の両側の壁に描かれて、迫ってくるように感じさせたのは、インドの作家による作品(右)。
観客は一列になって通り過ぎ、ほとんどの人たちが、壁面にカメラを向けていました。

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7日の記事で、蝶々の形に切り抜いた紙を、天上や壁に無数に貼り付けた作品を紹介しましたが、芸術文化センターでは同じように花や木の葉の形の紙を床に並べたインスタレーション作品がありました。
ピンときたのは正解で、これらはともに愛知県の作家の作品。
前回は気づきませんでしたが今回は、紙を切り抜いたのが図鑑であることが展示の中ですぐ分かりました(左)。

バングラデシュの作家による色鮮やかな戦闘機のオブジェは、近づいてみて驚きました(中央)。
オレンジのレンズ豆など豆類や穀類でびっしりと覆われ、それによって色や模様が描かれているのです。
「軍国主義の象徴としての戦闘機を、市民の生活や生存を象徴する穀物で覆い尽くした」とガイドブックには書かれています。
気の遠くなりそうな手をかけたものも多い現代アートの作品には、極めて感覚的な表現がされているものが多いように思っていましたが、こんな社会派の作品も少なくないようです。

「等身大」の動物彫像を並べたところは子どもも喜びそうな作品でしたが、そのうち撮影が許されていたのはシロクマの彫像だけ(右)。
同じようにユーモラスで愛らしくて存在感のある動物は、このほかにオオカミやペガサスなど幾つもあったのですが、残りは白い壁で覆われた迷路のような「小屋」の中。
この小屋の部分は彫像とは別の作家が手がけていて、そちらが撮影不可なのだと思われました。
写真好きの私としてはがっかりですが、その方が作品を視覚などの五感を通じて記憶しやすいようにも思えますし、人が集まって混雑することも避けられますので、良い点も悪い点もあるようです。

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芸術文化センターの展望室からは隣にある複合施設・オアシス21の屋上を見下ろすことができます。
この屋上は地図に描かれている通り木の葉の形をしていて、しかもほぼ全面に水がはられています。
そして巨大なプールのような水面には、ピンクに黒い水玉を施したお饅頭のようなオブジェが幾つも浮かんでいるのが見えます。

これは、トリエンナーレに出品する作家のうち「目玉」ともいえる草間彌生さんの作品です。
水玉と編み目模様のポップな作品で知られる草間さんは1929年生まれ。
そのご高齢でなお現役で活躍し、時代の先端を走り続けられているというのは、もうそれだけですばらしい。
もちろん雲の上のような方ではありながら、近く迎える50歳を「折り返し点」だと本気で思っている私としては草間さんの作品はもちろん、その存在自体に勇気づけられます。

草間さんの作品は芸術文化センターの中にも展示されていますが、その写真はトリエンナーレのポスターになっていて簡単に目に触れることができますので、本日はオアシス21日の作品のみを紹介します。
オアシスの屋上に来たのは夕暮れで、ピンクのオブジェを浮かべた水面越しにライトアップされたテレビ塔が見え、多くの人が両方を取り込んだ写真を写していました(中央)。

「水の宇宙船」と名付けられた屋上公園では、プール脇を1周することができ、水面に15個浮かんだピンクのお饅頭の作品「命の足跡」も、いろんな角度から眺められます(左)。

プールの反対側に来ると、水の中に120枚のカーブミラーを沈めて並べたもう一つの草間作品があります。
「求道の輝く宇宙」と名付けられた作品のミラー1枚1枚には、小さなテレビ塔が映っていました(右)。
カーブミラーの間から透けて見えるのは、オアシス21の巨大な吹き抜けの下にある地下フロアの部分。
水をたたえたオアシスの屋根は下部が透明で、水を通して下の景色が見えるという凝った造りです。

もともと先進的な現代建築作品であるオアシス21は、現代アート作品を展開するには愛称の良い舞台。
トリエンナーレの作品の数々を見るため歩き回ってお腹はペコペコでしたが、それをしばし忘れてしまうほど、うっとりとするような風景でした。

シャッター街にアート

本日も悪化する夏カゼをおしてランニングで出勤しました。
名古屋中心街を南東から北西に抜ける私の「通勤ラン」コースは、五番の目のように縦横に走る通りを選んで走ると、何通りでも描くことができます。
そこで今朝は、信号待ちが少ないよう、北に走り西に走りを繰り返し「あみだくじ」をするように折れ線を描いて走ってみました。

職場のゴール近くで通ったのが、かつて日本の三大繊維問屋街の一つとしてにぎわった「長者町繊維街」。
今では、すっかりさびれて空きビルが目立ち、都心の「シャッター街」と化している長者町をメーン会場にして、3年に1度のアートの祭典「あいちトリエンナーレ2010」が開かれていると聞いていましたが、出勤途中では立ち寄ることもできません。

そこで、さらに悪化した夏カゼをまたまたおして、帰宅時にもういちど長者町を歩いてみることにしました。

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南北に走る長者町のメーンの通りを歩くと、「長者町繊維街」と白地に赤く大書して道幅いっぱいに渡された看板を、次々とくぐります(中央)。
でっかくて飾り気のないこの看板は、「これぞ名古屋」と言える堂々たるものですが、その下には確かに空きビルや空き地が目立ち、中小の地方都市と同じような「シャッター街」そのものの寂しさです。

出勤時にもそうでしたが、しばらく歩いても、どこにアートがあるのかさっぱり分かりません。
ようやく通りの角に見物客らしいグループを見かけたのが「長者町繊維卸会館」のビルの前でした。
スタッフの方に聞いてみると、ここはトリエンナーレの作品を展示する会場の一つですが、中を見学するにはチケットが必要だとのこと。
「これも作品の一つですけど」と指さされたのは、会館の前に垂らした大きな暖簾のような布(右)。
「ええ、こんなものが?」と少し驚いて写真に撮ってみると、2階の窓にもアートっぽい落書きのような絵が。

外からのぞいてみると、やはり中が気になるもので、結局チケットを購入することにしました。
チケットは10月31日まで、長者町会場以外の美術館など各会場を何度も見られるフリーパスが3500円、1会場を1日だけ見られるパスが1800円。
シャッター街を再生する起爆剤の一つとして長者町の会場がつくられたことを考えると、入場料などはとらずオープンにした方が良いわけで、この価格設定は大胆すぎると思いましたが、とりあえず私は名古屋に来て「何でも見てやろう」をし始めているわけですから、フリーパスを奮発することにしました。

会館の一室に飾られた、在りし日の長者町を描いた絵は、戦前の映画ポスターのような趣きです(左)。
描かれた人たちはだれもが、にこやかに笑っているのですが、年配の人が目立つこともあってか、なぜかこのにぎやかな絵が寂しさをさそいました。

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長者町繊維卸会館の2階の展示会場は、昭和のアパートのような廊下の両側に並ぶ部屋などが、それぞれ空間をいっぱいにいかしたアート作品になっています(右)。

その一つは、何百個もの電球を、粟おこしのようにまとめた巨大な球体のオブジェが、ぶら下がる部屋(左)。
さすがアート。私のような常識的な凡人が考えつかないような奇抜なアイデアは日常を忘れさせてくれます。

外から見えた「落書き」のある部屋にはオーストラリアの原住民アボリジニ風の絵が、たたみや壁いっぱいに描きなぐられていました(右)。
しかも、この絵は土を使って描かれていて、力強い感じが、いっそう伝わってきました。

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通りに面した受付の名古屋美人のスタッフたちに誘われるようにして足を踏み入れたのは、4階建ての空きビルをまるごとアート作品に仕立てたところ(左)。

2階部分は、紙でつくったチョウが壁ばかりか蛍光管の上にもびっしりと貼られ、まるでチョウの館(中央)。

空きビルが展示場になっているとあって、屋内にはエアコンはなく、けっこう蒸し風呂状態。
室内にいた美人スタッフは「暑いです。この会場はハズレなんです」とこぼしながら、焼け石に水の扇風機に当たってられました(右)。
(ちなみにスタッフの方々は、その日ごとに、担当する場所が変わるということです。)

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名刺の3倍ほどの大きさがあって折り曲げたくなるフリーパスのケースが、やはり展示場になっているカフェで売られていると聞いて、もう1カ所を見物することにしました。
カフェの入るビルの4階は、1フロアを使って「オーロラ」のアートが繰り広げられていました(中央)。
オーロラの正体は、ご覧のように巻き貝の渦を描くように天上から垂らした布と、それを照らす裸電球。
ここは、きれいで居心地が良く、心が洗われるような感じがしましたが、その大きな要因は、エアコンがきいて涼しかったことでした。

カフェに向かう途中で、繊維卸会館の前にあった暖簾風のオブジェに似た壁を見かけました(左)。
美人のスタッフが2人も立ってられるので、この中にもアートの空間が広がっていると思いきや「作品は、これだけなんです」とのこと。
それでも2人も案内に立ち、しかも暑そうなつなぎのユニフォームを着てられたのは、なぜだったのでしょう。

長者町をあとにして、名古屋の中心・栄方面に向かうと、ビルの前に白い馬2頭のオブジェがありました(右)。
そしてここには「道案内」の美人スタッフが。
「夕方になって、やっと暑さが少しましになりました」と話し、ブイサインをしてくれました。

ピンクのシャツと帽子を着けた道案内のスタッフは、あちこちの街角に立っていますが、ぱっと見ただけでは、何をしている人たちか分かりません。
こちらが話しかけなければ、トリエンナーレの宣伝をしてくれるわけでもありません。
このちょっと大人しいところも、私が、なんとなく名古屋的なのかなと思う気質のようなものです。
せっかくやっているアートの祭典ですから、みながアーティストのようにすましているのではなくて、鳴り物でも何でも使って、もっとアクティブに宣伝してみてはどうでしょうか。